第0話
周囲はすっかり暗く、そのくせまだ眠れやしない空が
思いつきで立ち寄った店は穏やかに品のいい音楽が流れていて、中にいる数人もそれぞれ静かな時間を
私はそれがとても気に入ったのだが、何だか少々場違いだったかも知れないと席に着いてから少し考えた。
「えっ、あぁええと……
いつの間にか注文を聞きにきていた店員に、なんとかそれだけ言った。格好がつかないにも程があり、滲み出てくるような気恥ずかしさに何もない窓の外を眺める。
思っていたより緊張しているらしく、ほどなく出てきた
どこか現実味がなく夢を見ているようで、重だるく疲れた目を閉じる。よく分からないまま加減を間違えたのだろうか、酷く甘いのにそれでも良い香りのする液体が
ゆっくりと目を開ければ、懐かしい声がする。
かわり 百草 @byakusou
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