第6話 日雷の反動
「くそったれ! ヒットしてんのに反応してねぇ! ジル?」
「こっちも全弾命中したけど、誘導波に反応してない。振り切られる!」
グレヴリーの怒号とジルの焦燥が飛び交う中で、オーガも口調を荒げている。
「碎王! 命中した誘導弾に問題ないが、メアリー自体の意志が強すぎて引っ張られてる! 人間様の言うことなんざ、聞きたくないとよ!」
一人、冷静に状況を掌握しようとしている宗谷も口を挟む。
「碎王。このままだと日本沿岸に到達します」
「やはり、あの場所へ向かうか?」
「恐らく」
フォックススロットが導き出した、当初の着地予想ポイントであったベーリング海峡域に飛来着水したメアリーは。一時、観測衛星ファーボの監視も振り切り、その消息を絶っていた。
再びメアリーがその姿を現したのは、既に大気圏突入寸前であった。
当然、先回りして待ち受けていたフィーガは通常通り対処に当たった。しかし、これまでと同じように事を運べなかった。
「くっそ、また飛んだぞ!」
海洋生物のエイに似た、平べったくも大きな翼を持っていた有機物体メアリーは、海面を大きな水平胸ビレで強く叩いてジャンプする。
「アンディ! 追え!」
「尻尾に気を付けろよ!」
激しく上がった大量の水柱も、中間から真っ二つに斬り裂いて伸びた長く細い尾も侮れず。ピックスの先頭車両の頭上すれすれを掠った鞭状の尻尾は、行く手の邪魔をするなと威嚇しているのか。右に左にとうねり蛇行するものを、アンディは巧みな操縦技術により余裕で躱していた。
一度上昇すると、今度はムササビよろしく長く宙を滑空して滞空し、人間側が右往左往とするものなどもお構いなしに。メアリーは目的地があるかにして、ばく進は止まらない。
「くそったれ!」
グレヴリーはお決まりの愚痴を吐く。
「幾百日もかけての旅路を省略するほど、そんなにバーゲン会場へ行きたいかねぇ? 一番乗りしたって、お目当てのもんがあるとは限らねぇだろうによ?」
地球まで数十億キロの地点から、大気圏に到達するまでをたったの数時間と数分に短縮したメアリーの背後へピックスもぴたりと寄り添い、戦闘機並みの速さで追尾している。その向かう先は、一点のみか。
「――宗」
碎王は瞬時に決断していた。戦場の最前線で迷っている暇はない。対飛来外来種での一瞬一秒の判断の遅れは、大衆を巻き込む大惨事に直結する事を、その屈強な体がよく知っている。
宗谷も、その一言で次の作業に取り掛かれた。彼が何を考え、何をすべきかを先取りするのも右腕の務め。アンディが開発した特別なトランシーバー型の通信機器は、世界中のどこへでも誰とでも言葉一つで瞬時に繋がる。
「ユーハブコントロール。総理官邸です」
国の長へ繋げた通信機を碎王へ手渡す。主導権は貴方にあるとする、宗谷らしい譲渡の仕方でもあった。
「――総理。ご決断を」
これより再び、日本のかの地が戦場になる旨の報告と、即時作戦執行許可を求める連絡を入れていた。
すっかり腹を空かせていた夕夜は、パンをかじりながら寮へと歩んでいる途中であった。
食後には気休め程度にしかならない痛み止めを飲まなければと考えていた、その時に。急を知らせるサイレンが鳴り響いた。
「え? 何?」
その音を聞いた近所の犬たちも、一斉に遠吠えを始めた不気味な音は。地域全体で唸る、この警報音こそ。
『――住民は、直ちに最寄りの避難所へ避難するよう、速やかに行動を……』
「うそ……。また来たの?」
人類の生態系を根本から脅かす、飛来外来種の襲来を知らせるもの。
夕夜は食べかけのパンを手に、逃げなければの周囲を窺う。ここから、どこへ向かえば良いのかとする判断の分かれ道に立っていた。
通信を終えた碎王が人知れず、鼻で笑っていた。
「健闘を祈るだって? はっ。冗談じゃない」
対、飛来外来種との対峙では敢闘も辛勝も必要ない。許されるのは完全勝利のみなのだ。
通信機を持ち主へと返す際に、碎王は胸の内をそっと添える。
「俺は、負けるのが嫌いでね」
宗谷は静かに視線も受け取る。
「そうですね。貴方は、絶対王であるべきです」
チームの大将が不安を携えたままでいると、必然的に不穏は伝染してしまう。
「貴方はいつでも、貴方らしくいてください」
碎王は宗谷の流し目をやり過ごした後で静かに頷き、気を取り直す。
「よし。皆、聞いてくれ」
指揮台に両手をつき、指示を出す。
「メアリーは十中八九、リマが着地した例の所へ向かうと思われる」
よって、そこでの決着を目論む旨が伝達された。
「幸い、あの学校周域半径一キロ圏内は、住民も避難していて誰もいない。それ以外の住人も今、退避が始まっている。政府からの許可も貰った」
だからと言って、大暴れしてもよいというものでもない。
「被害は最小限に抑えたい。無論、人命は最優先で、制圧あるのみ」
碎王の命を、グレヴリー以下面々はじっと耳を傾けて聴いている。各々が成すべきことはただ一つ。それぞれが、それぞれの役目をきっちり果たすかに全てが懸かっている。
「フォックス。着地と同時にファーボスロットを切り離し、アイアンウォールで囲い込め」
『――フォックスワン、了解』
『――ハッピートゥー。シーラワン』
「ちょっと! そこの君?」
避難を知らせるサイレンが鳴り響く中で、誘導の警官に呼び止められた夕夜は思わず後ずさった。
「あ、の! ごめんなさい!」
伸ばされた手で触れられると静電気が弾けてしまう。それを避けるための行為であったものを、警官は早く避難誘導を済ませたい一心がある所為か、不穏を感じて訝しんだ。
「ここから先はすぐに閉鎖されるから、向こうの避難所へ行きなさい」
「で、でも? すぐそこに寮があって、薬だけでも……」
「薬?」
警察官は夕夜の右手の包帯を見て、「それなら」と切り出す。
「避難所で赤十字とかから支給を貰うといい。さぁ、危ないから早く――」
向こうへと促される手を、夕夜は咄嗟に避けた。
「……さ、触らないでください。僕、静電気が凄くて……」
じりじりと後ずさる夕夜を、警官は睨み据える。
「君ね! 遊んでる場合じゃないんだぞ?」
大人の剣幕に気圧された夕夜は、ただ触れられたくない一心でその場を駆け出した。
「あっ! こら、待て!」
二人一組の警官が、ばたばたと夕夜を追いかけ始める。
「ごめんなさい! 来ないで!」
「おいっ、君! 待ちなさい!」
こちらも互いに意図しない追いかけっこが、始まった。
例え小指とはいえ骨折時は、走ったりするなどの過激な運動は控えるようにと医者から言われていたのに。夕夜は、ばくばくと駆けて唸る心臓もそろそろ息苦し過ぎて足を緩めた。指もジンジンと痛みが増して、息を切らせながら振り返ると。追って来ていたはずの警察官の姿は見当たらなくなっていた。
「はあっ、はあっ、はあああああ……」
膝に片手をついて大きく項垂れる。ぎゅるりと鳴ったのは、まだ空腹が満たされていない腸の訴え。夕夜は思う。己の人生はずっとこんな感じだ。いつも一人、貧乏くじを引かされる。
顔を上げ、ここはどこかと窺うと。崩壊したまま取り残されている学校の校舎が目に飛び込んだ。――こんな所にまで来てしまったのかと思い、ふと。本来逃げなければならなかった方向とは真逆の道を辿っていたことにようやく気付く。道理で誰一人としてすれ違う人も車もなかったはずだ。追ってきていた警官たちも、途中で引き返したのだろう焦燥が、今になってぶわわと鳥肌を立てて全身を駆け巡る。
「ギニュユウーウウウウギイィャアーアアアアーッ!」
――何だ一体。夕夜は、はっと空を見上げた。
巨体を舞わせ、どこからともなく飛来しせりもの。
「――っ!」
声にならない驚嘆で、息を吸い込んだ喉だけが虚しく鳴る。
さて、この先どうするだなんて思考も、ここで停止していた。
マンタのようなヒラメのような、エイらしき海洋生物に似た物体が、崩壊した校舎の上段に着地していた。全長にすると百メートルはあろう両翼のヒレを大きくはためかせながら、どっしりと着地した振動と風圧が、目と鼻の先にいる夕夜にも襲い掛かった。
「わっぷ!」
舞い上がった粉塵に混じる砂利やコンクリートの細かい破片が、全身にバチバチと当たって痛む。
意図せず走って逃げて来た途中でもずっと死守していた食べかけのパンが、手の中からぽろりと落ちて転がってゆくものよりも。
「ンンンニュユウーウウウウンンンンンー……ニユウウイィャアアアアアーッ!」
大よそ人間が有する語源表記ではそうとしか表せない、物体の嘆きが瓦礫の上で高らかとこだましたものに只々慄く。
「ひっ!」
何これもしやの、夕夜の思考も回り始める。これが、警報の根源である外来種か。どうしてまたこのような処に――。
尻ごみした夕夜の視界に、間髪入れず飛来するもう一つの物体が飛び込んで来る。
鞭か、切れた電線か。どちらにせよのたうち回る脅威が夕夜に襲いかからんとするものを。バチンと盾となって弾き返したものがあった。
「ハロー、メアリー。おいたは駄目だよ?」
彼がどこから来たのかなど知れない。黄金色の炎をぽっぽと滾らせながら、近くにあった電柱の最頂部に舞い降り立ち。よくよく見れば、黒地に銅色のボタンや細かな合金真鍮ラインで着飾った軍服の、確かに青年――。
「その長ーいしっぽちゃんも、じっとしててね?」
夕夜は首を傾げてまじまじと見入った。左目をぜんまい仕掛けも重装なゴーグルで覆っているので、その表情全てを詳しく窺えずとも。さも楽しげに、嬉しそうに開かれた口元は舌なめずりをしながら明らかに、喜んでいた。
「一緒に地獄で遊ぼうよ?」
夕夜は咄嗟に、ここにいてはいけないと悟った。この人やばい。普通ではない。
そうと思っても、足が震えてその場を動けなくなってしまう。
「大丈夫。もう君は、どこへもいけないからさ」
ゴーグルの青年は、両腕を大きく広げて大気を煽った。メアリーを見据えている金色の瞳も、真っ赤に燃える闘志に変えて。その服と、袖先から出ているわずかな素手の皮膚からもパキパキと黄金色の金属を浮かび上がらせ、機械板の層を幾重にも折り重ねてゆく。
夕夜は、対峙している外来種を挟んだ向こうにも、同じような光景が広がっているのを見止めた。
もう一人、あちら側でも野太いコード配線や管パイプ類を入り混じらせた機械的な腕一本で、蠢く尻尾を抑え込む光景を繰り出している人がいるのを視認して。再び、電柱の上を見上げると。鉄のような金属片が縦に横にと広がり、分厚い防御壁を形成しながらドーム状に繋がってゆく工程をその眼で見届けた。このような非日常的展開は、映画やドラマの世界でしか見た事がない。
信じられない呆気に取られている間にも、飛来外来種と学校を丸ごと覆い囲った球状ドームが完成してしまう。
「アローユニッ。アイアンウォール、設置完りょ……」
形成したドームと己の実体を切り離した青年が、電柱下の夕夜に気づいた。機械仕掛けの赤い隻眼で、ピピピと電子音を鳴らして夕夜を詮索している。
「民間人一名発見。子供――、あれ? 君……」
小首を傾げると同時に、外来種を覆ったドームの中で爆音が響いた。
ずんずんと地を叩く手堅いバウンドが何度も響き。夕夜の空腹の底をびりびりとくすぐる重低音が反響している。
ドームの形成が終わる前に中へと滑り込んでいたグレヴリーとジル、そしてオーガが、メアリーに向けて過激な発砲を繰り返していた。
誘導弾はもう必要ない。あとは囲い込んだこの場にて、朽ち果てるまで嵐の銃撃を浴びせるのみだ。
乱れ撃たれる殲滅散弾を受けて、成す術もなくのたうち、悲鳴を上げている外来種からは迸る体液と、ぬめり落ちる体皮が飛散してドーム内を侵食してゆく。
「あぁ、くそ! しぶとい!」
スコープから目を離したグレヴリーがオーガを顧みると、強力な爆薬弾を二つ用意していたいぶし銀は早速、メアリーの心臓と脳を同時に狙っての投てき体勢に入っていた。
「これで終わりだ!」
あとは頼むと、ゴッズの腕に任せる。
グレヴリーとジルは別々の位置より、オーガが放った爆薬連弾の導火線を狙い打つ。火元となれる線は、ほんの数ミリであっても。史上最高の狙撃手たちにとってそこを撃ち抜き、着火させることなど朝飯前だ。
それぞれが完璧なタイミングで宙を舞った二つの爆薬弾に着弾の火を点け、連続して爆発する大規模な発破を誘発させると。メアリーは声にならない嗚咽を上げて、爆破の余波の中へと沈んでいった。
しかし油断はならない。息絶えたかに見せかけて、復活のタイミングを図る輩も多いのだから。
びしゃり。ぼとり、と水っぽい液体が飛散しまくるドームの中から。「くっそ! まだ粘りやがる!」「碎王!」「食い破るぞ!」なる三連打も打ち聞こえた、その時に。殻の中では嫌だと首を振った外来種が、更なる雄叫びの咆哮を経て、鉄壁のドーム天井を突き破っていた。
夕夜を見下ろしていたゴーグルの青年が、異変に気付いて視線を戻す。
「ありゃりゃ。気に入らなかった? でもね――」
そこから一歩として外へ出ることなど許さない、とも続けた口元に笑みを浮かべたまま。垂直に上げた二本の腕をレールに仕立て、顔の前で平行させた姿勢よりバツンと一発、レールガンを穿っていた。
レーザー発砲した高温蒸気を、体の後ろ側へバスンと一気に噴射して逃すと。青年の下半身を覆うオーバーフレアの裾がひらひらとはためき、ぜんまいメモリなどもくるくる回り。上昇した体温を抑える冷却の紫炎がふんわりと、ほくそ笑む悪戯な舌より棚引く。
「一緒に逝ってあげられなくて、ごめんね?」
その間にも、起きがけのこめかみを狙い撃ちされたメアリーはぎゃふんと唸り、巨体を捻りよがらせた。
この時、青年が発射した電磁投射砲の余波は、パリパリと乾いた静電気の振動となって夕夜にも届き。
「痛――っ!」
それにて、ぞわぞわと夕夜の中で弾けるものを待つ導火線の束に火がつくのを、本人も薄々と気づいた時には。落ちていた。
空は晴れ渡っていた。どこにも暗雲すらなく。違和感があるというのなら、町中に突如構築された鉄壁のドーム防壁だけであっただろうに。そこへ二筋の、ジグザグでスパークしたプラズマ放電、つまりは落雷現象が起きていた。
最初の二筋はドームより遥か彼方での稲光放電であったものも、本流。眩いピンク色と紫色した、日雷にしても野太すぎる巨大な帯でドームの直上、メアリーの頭頂部に集約して落ちた稲妻の本雷は。光輝く黄金色の火の粉を雪のように舞い散らせながら落雷していた。
目も眩む閃光が先で。先駆放電ともなった光と火の粉が全て散ったその後で、空を切り裂き、耳を劈く爆音が遅れて辺り一帯に轟く。
ビシャドドン。鼓膜をびりびりと震わせ、ガランバリバリと遠くへも響き渡る轟音に驚き、落雷直下に居合わせたグレヴリーたちは思わず腰ごと竦めて耳を抑えた。
「あうち!」
「何だ一体!?」
「おい、見ろ!」
オーガが誘った先のメアリーは、よがりくねった体勢のまま一瞬で絶命したらしく。力なく、地球の重力に促されるまま、その巨体をゆっくりスローモーションで横たえた。
鉄壁のドームを押しつぶし、こちらもドドンと地鳴りを上げて。地の小石を小刻みに跳ね上げるほどの地響きを伴わせながら倒れ込み。主を形成する意志系統が途切れたことで、固体を形成していた外来種の体脂はほどなくして液化し、溶液がぐじゅぐじゅと泡を立てて漏れ出した。
何とも無残な最期を見届けたグレヴリーは呟いた。
「なるほど……。軟体でも堅物でもない訳だ」
その後、飛来外来種の骨格や細胞までを残らず灰とすることに特化した、特別な燃焼促進剤を使用したところ。メアリーの躯体全てが蒸発気化することも判明していた。
「毎回、こういうヤツだったら楽なのにな?」
燃焼作業を見守っているグレヴリーが述べると、相棒のジルも告げた。
「途中で見失った原因とか、どう説明するつもり?」
「さぁな」
大袈裟に肩を上げては下げたグレヴリーは言う。
「本当にワープでもしたのかも?」
その真相を聞きたくても、もう直接本人からは聞き出せない。何せ飛来外来種がどこから来て、何故に遥々地球目指してやって来るのかの抜本的要因さえ判明していない。
それでもこの年、十三番目に地球へやって来た外来種退治は、宇宙放出の算段を取らずに片付いた。
どうしてだか。何か手放しでは喜べない気持ちを携えていたのは――、宗谷も同じであった。
天井部分が大きく破壊されたアイアンウォールのすぐ近くで、縮こまっている夕夜の姿を認める。少年は、再び巻き込まれた恐怖からか、ガタガタと震えているではないか。可哀そうに。
フィーニーからの連絡を受けた宗谷は、ゆっくりと近づいて座り込んでいる夕夜の視線に合わせて膝を折る。
「また、怪我しちゃった?」
夕夜は言葉なく、震えながら右手を庇う左手も抱いたまま小さく頷いた。
ドームの外で、撤収作業と後始末の指示をしている碎王も、隣に並び立ったオーガに発する。
「一度ならず二度までも。こんな偶然、あるのかよ?」
「まぁ大抵。二度目は偶然って言わないよな?」
臨時ニュースを挟んだテレビ番組の気象コーナーも告げていた。
本日も、晴天なり――。
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