第3話自己紹介と羨ましい悩み事

「とりあえず自己紹介しようよ。まだゆうちゃんの友達の名前聞いてないし。」


四人が集まってから志津が言い出し志津から自己紹介を始めた

「私は夏海志津、呼び方は何でもいいよ。ゆうちゃんの幼馴染です。いつもあんな感じで頼りないからいつも面倒見てます。じゃあ次はゆうちゃんよろしくね。」


笑いながら言われてしまった。事実だけどちょっと恥ずかしい……


「ん、了解。俺は菊月悠斗、呼び方はなんでもいいよ。あとそこまで頼りなくはないと思う……たぶん。じゃあ次柊お願い。」


「はいよー。片桐柊です。柊で頼む自分の苗字好きじゃないんだ。よろしくな。次、雪城さんお願い。」


「えっと、雪城千春です。地方のほうから引っ越してきました。今は叔父の持つアパートで独り暮らししてます。千春でいいよ。よろしくね。」


全員の自己紹介が一通り終わった。なんか俺がからかわれただけの気がする……


「ほら、お前らももう帰れ。もうそろそろ職員会議が始まる。」


この担任からの一言で、帰路に着くこととなった。教室から出て談笑しながら四人で歩く。


柊に志津と付き合ってるのか? なんて聞かれしまい、顔を赤くして否定していたのはまた別の話……


どうやら電車で帰るらしい柊と駅で別れ、柊の抜けた三人でしばらく歩く。


「もしかしたら千春ちゃんの家私たちの結構近くなのかもね。」


「そうだといいね。」


なんて笑いながら二人は話している。女子二人の仲に男一人だとなんとも居心地が悪い。


「柊、戻ってきてくれ……」


心の中で新しくできた友人に助けを求める。が、それは届くはずもなくただ虚しいだけだった……


俺達の家が近づいてきたところで千春がふと


「私の家そろそろ着くんだ」

なんて言い出した。


「そうなの⁉ 私たちの家もそろそろだよ!本当に近くだったね。」


と志津が笑いながら返す。俺達はその事実に軽く驚きつつ家に着いた。そしてさらに驚愕の事実が判明する。あろうことか俺の家の隣にあるアパートに住んでいたのだった。


「「「えぇ⁉ こんなに近いの?」」」


さすがの二人も予想外だったようで三人の声が重なる。

ここまで近いと最早、仕組まれていたように思えるほどだ。


「すごいねっ! 三人で毎朝登校できちゃうね!ゆうちゃんを二人で起こしに行かないと。」


勘弁してくれ…… 女子二人に男一人これだけでも十分辛いのに毎朝起こしに来るなんて…… 俺は密かに毎朝しっかり起きることを心に決めた。

その後二人とは別れた。どうやら志津は千春の家を見に行くようだ。

家に着いてからと言うもの今日あった出来事を軽く思い出し、俺は今日あった出来事をどのように妹に話そうかと考えつつ家に戻った。



* * *



「どうしてこうなった……」

本当に今日は気苦労が絶えない一日だ。帰宅後数時間、何故か俺は今、志津、妹、そして千春を入れた四人でスーパーにオムライスの材料を買いに来ていた。何故こうなってしまったのか……それを説明するために少し時間を戻して話そうと思う。

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