34.星空

夜になって帰ってきて

車を降りるといつも

星を見上げる


昼は晴れてても曇ってても曇っている

気圏の散乱が掻き消していた

かぼそい光がつくる

距離が美しくて

夜は瞼をひらいた地球と一緒に

空を見る


人には無限みたいな彼方で

光る星を見ていると

その距離に気圧が急降下するみたいで

液体窒素みたいなヒトの一個の俺という存在は

沸点を迎えて揮発していく心地して

清々しい

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