08. 瀬戸内渡海
三途の川か
禊の時間か
岡山を出発した汽車が
四国へ向けて
海を渡る
遥かのほうに
海の平面から鼻先出した
島々が折り重なって見える
いくつもの陰を
東にのばしている
海は金箔のかけらをちらちらさせながら
少しけぶっている
遠くなる
遠くなる
日常が断ち切れていく
異界へと潜っていく
幾隻もの船は
日常を乗せて進む 航跡を
ひく幾隻もの船のある景色
島影のある日常
異界の風景
カメラを向ける私
前の座席で
本に目を落とす
ブレザーの少女
四国へ
――本州の時間
――本州の地形
岡山から
――四国の時間
――四国の地形へ
瀬戸内は禊
異郷の日常を断ち切りながら
故郷の非日常へ入っていく
(非)日常はここで反転する
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます