03.雑踏のあそび

無作為に

通路を往き交う人たちから

背を向けて行くひとりに視線の中心をおく

そして彼の目に与えられた視界を空想してみる


彼の足もとからは黄色い

点字ブロックが連なり

それは俺の足もとへと延び さらに後方へ消えている

反復は

空間を等質にする

単位を形成し距離の

体感的な表象となる

彼という受容体を

神経としての点字ブロックが

伝えてくる

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