Ⅰ.星々篇

02.音の凪

無音がある

無音の向こうに音がする

音は無音域を伝ってくる

干渉するほかのなにものもなく伝わってくる音は

無音の向こうからやってくる

緑の芝の平面の向こうの

木立の繁みから

無音を渡って

鳥の鳴き声がやってくる凪の時間に

遥かの木立の繁みの一葉の落葉が立てる

葉擦れの音が無音を渡ってやってくる凪の時間に

遠巻きに耳に届いてくる

子供たちの声

音が遠くからやってくる

音の凪が美しい距離をみせている

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