第49話 お友達⑥

 美愛ちゃんとは、会えば何かと話すようになった。たとえそれが辛い経験でも。七海は、新しい友達ができたようで少し嬉しかった。


 ある日のこと、4時間目の途中で、美愛ちゃんが特別室に入って来た。


「美愛ちゃん、おはよう」


「おはよう、七海ちゃん」


「美愛ちゃんは、図書館へは行くの?」


「昔、授業中に何度か行ったことがあるけど、自分からは行かない……」


「じゃあ、今日、給食食べてから、一緒に行かない?」


「いいけど、なんで?」


「おすすめしたい本があるの。美愛ちゃんは、読書は嫌い?」


「嫌いってわけじゃないけど、好きでもないかなあ」


「それなら、ぜひ読んでみてよ。それとね、ちょっと頼みたいことがあるの…… もうすぐ冬休みでしょ?冬休みには一人4冊まで本を借りれるのだけど、もっと借りたいから美愛ちゃんにも借りてもらって、それを私に貸してくれないかなと思って」


「ふうん、いいわよ。七海ちゃん本が好きだもんね」


「ありがとう! じゃあ、給食食べたら行こうね!」


 

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