第48話 お友達⑤
「食べれないのは辛いよね…… 前にね、お父さんが酔っぱらって、部屋に隠れてた私に一緒にごはん食べようと言ってきたの。嫌だから黙ってたら、ドアを蹴って大声を出すから仕方なく出て行ったの。そしたら、私の食事が床に置かれてて、ほら食えって。箸がないって言うと、食えるだけありがたいんだから、正座して手で食えって。怒ったら怖いから、手で食べてたら、お父さんが妹に、お姉ちゃんは乞食みたいだね~って。あんなのを乞食って言うんだぞ~って。それで妹と一緒に笑うの」
「そんな! ひどすぎる!」
「でしょう。それ以来、こっそり後で食べてたんだけど、夜中に食べてるのお父さんに見つかって、この泥棒! って殴られちゃって。それ以来、お父さんがいるときはもう夜は食べてないの……」
七海は、自分は本当に不幸だなと思っていたが、美愛ちゃんの話のすさまじさに、自分はまだ幸せな方なんだと感じた。
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