第26話 勉強①
二分の一成人式のことがあったので、七海は遅刻もさらに増えたし、保健室にいる時間も長くなっていたので、授業を受ける回数が少なくなり、だんだんと勉強が分からなくなり始めていた。特に算数では、少数のかけ算と割り算が出てきて、普通のかけ算と割り算はなんとかなるものの、小数点のつけかたがなぜそうなるのかが分からなかった。そしてさらに仮分数と帯分数が出てきて、これもいまいち理解ができなかった。3年生のときに習った、2分の1と3分の1で、なぜ2分の1の方が大きいのかは分かるけど、2分の9とか、3と3分の1とかがでてくると何のことか分からなかった。
七海は勉強が好きではなかったが、分からないというのは嫌だった。授業中、分からないことだらけだと、ただの我慢大会だった。ほとんどの子が手を挙げている中、自分が手を挙げられないのは悲しかった。
ある日、七海は終礼がと掃除が終わったあとも、教室に残った。そして西田先生に思い切って相談した。
「先生、算数が少し分かりません……」
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