第27話 勉強②

「潮村さん、どんなことが分からないの?」


「がい数と面積のところまでは分かってるんですけど、小数のかけ算割り算と、分数のところで分からないところがあります」


「そうね…… その頃から授業にいなかったことが増えたものね」


「はい…… 先生、少しでいいから教えてくれませんか?」


「もちろんいいわよ。でも、少し待っててくれる? 職員室で少し用事を済ませてから、また教室に戻ってくるから、ちょっと待っててね。算数の教科書を開いて、読んでみて、どこが分かっていないか、考えておいてね」


「はい、わかりました」


 七海はすごく嬉しかった。授業に出なくて、分からなくなったのは私なのに。悪いのは私なのに。それでも教えてくれるという、西田先生の優しさが、本当に嬉しかった。

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