第15話 買い物②

「3個で298円…… 1回で約100円かぁ……」


 先月、算数の授業で『がい数』を習っていた七海は、『約』をつけてみた。


「1回のごはんで100円は高いかも……」


 七海はとりあえずシーチキンをかごに入れるのは止めて、別の売り場へ移動した。ふりかけなどが置いてあるコーナーだ。


「ゆかり…… のりたま…… やっぱり、ゆかりかなぁ」


 七海は、500gで1925円のゆかりをかごへ入れた。七海は店に向かって歩いているときからずっと考えていた。これからはママが帰ってこないことが増えるかもしれない。そんなときに自分で食べられるのは米とラーメンだ。パンはカビが生えるのでダメだ。あとすぐ腐るものもダメだ。考え付いたのは、缶詰とふりかけだった。


「とりあえず、これでいっか」


 米が890円、ラーメンが315円が2個、ふりかけが1925円、約3400円。七海は先月習った『がい算』で計算した。しかしまだ消費税の計算はできなかった。


「とりあえず家に運んで、もう一回来よう」

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