第7話 命綱

 3時間目の終わりのチャイムが鳴ったので、七海は保健室から出て教室へと向かった。教室へ入るなり翔太が大声で、


「あ~また七海が給食だけ食べに学校に来やがった!」


 みんなの注目を浴び、七海はうつむいた。慣れてはいたがやっぱり恥ずかしかった。一瞬、椅子ごと翔太を蹴ろうかと思ったが、その後の展開が手に取るように分かったので、我慢して自分の席についた。


 認めたくはないが、翔太の言葉は真実に近かった。給食が無かったら、私は本当に死んでしまう。何を言われようが、給食だけは食べなければならなかった。


 給食の時間に現れると、本当に給食のためだけに来たことになり、配膳のときからずっと翔太や悠真にからかわれるので、4時間目の授業には出なければならなかった。


 あと45分の我慢……七海は心の中でつぶやいた。

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