第5話 臭う服
休み時間になると、翔太が前の席の悠真の肩をたたき話しかけた。
「なあ悠真、なんか臭くね?」
悠真はくんくんしながら……、
「臭い、臭い、あ、これ七海じゃね?」
翔太が近寄ってきた。
七海は急いで席を立ち、教室の後ろの戸へと駆け出した。
「おいっ! 七海っ! まてっ!」
七海は泣き出しそうだった。もう何日も洗濯していない服を、ローテーションで着ていたからだった。靴下も……下着までも……。
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