スタートアップベンチャー勤務時代
#スタートアップベンチャーでのお仕事
意気揚々と初出社して、一日目はPCのセットアップ。2日目からもう実務開始だった。これがスタートアップのスピード感かと思った。
最初はデータ分析の業務を少しして、そのあとはとある配信サーバシステムの開発を担当した。入社時に期待していた技術分野ではなかったがこれはこれで面白いなと思える分野であった。
他の社員はいわゆる旧帝大上位の人間ばかりで頭の回転も速く、ついていくのがやっと、それどころかついていけていない感じもあった。仕事の進んでいくスピードもものすごく速く、意思決定がどんどん行われていく。前職は意思決定するのに苦労する感じで大変だったが、これはこれで辛いものがあった。
チームとしては2人体制で上司と二人三脚で仕事を進めていた。やりがいはあったのでせっせと働いていたが、あまりにも仕事のデッドラインが短く、また残業してでも仕事進めろプレッシャーが強かったのでだんだんと疲弊していった。
#うつ病再発
勤務開始から3か月ほどたった頃に、一緒にペアで仕事している上司の人とは別の人にキツめに注意された。それをきっかけにその人が怖くなってしまった。しかし、その人とは仕事を進めていく上でどうしても接点が出てくる。対人関係でのストレスに自分は弱いのだということにこの頃ようやく気付きはじめた。結局またノイローゼ状態になり、悩んだ挙句、上司に相談して休職させてもらうことを願い出た。まだスタートアップなので休職なんて願い出たのは自分がはじめてのケースだったし、勤務し始めてからそれほど期間も経っていない。クビも覚悟していたが、自分のような者でも受け入れられる会社にしたいということで、休職をさせてもらえることになった。攻めることなく休職させてもらえたのは本当にありがたいことであったし、今でも感謝している。
休職期間は一か月強とすることになった。
#休職期間中
正直、持っていた自信がポッキリ折られてしまって、同じ環境でまた仕事をできる気はしなかった。そもそも、納期に追われるようなIT系の仕事は自分には無理なのではないかと思いはじめていた。そこで、事務系の仕事ならできるのではないかと考えた。しかし、今のご時世、事務系の仕事をするために求職活動をしてまともな会社に入れる気はしない。では、公務員はどうだろうか。兄も市役所勤めで採用試験のノウハウは持っているのでサポートも期待できる。
このような考えを実家の兄や母、妻に伝えたところ、チャレンジしてみても良いのではないかということであった。28歳と採用可能年齢としては、多くの自治体でラストチャンスもしくは、あと2回しかチャンスがない。無駄に?歳を食った人間を採用してくれるのかも自信はない。しかし、まともに生きていける道はこれしかないと思い、公務員予備校の説明会に行ってみた。そうすると、28歳でも職歴があれば採用してもらえることは結構多い、というか、役所側も民間での社会人経験を持った人材を求めているとのことであった。これを聞いて、俄然希望が出てきた。
こうして、私は休職して休養をとりつつ、独学で公務員試験の勉強を始めた。
#退職
休職期間はあっと言う間に過ぎ復職予定日が近くなってきた。しかし、公務員を目指すことにした自分だったので、退職をしたい旨を連絡した。君ならやっていけると言ってもらいもしたが、どうしてもやっていける自信はなかったので、引き留めは断って退職することにした。全社でチャットを導入していたのだが、そこに退職の挨拶を書き込んだ。そして、その数日後にはオフィスに顔を出し、正式に退職の手続きを行った。私の去り際に他の社員の人たちが立ち上がって「お疲れ様でした」と言ってくれたのが忘れられない。仕事は大変だったが良い会社だったと思う。
そしてその数週間後、飲み屋での送別会を開いてもらった。楽しく時間を過ごすことができた。そして、これをもって、2社目の会社とお別れとなり、本格的に公務員浪人生活に突入していく。なお、誘ってくれた友人や、仲の良くなった社員の人とは今でもSNSなどで繋がっている。
また、余談であるが、この会社はこの一年後上場する。自分も在籍し続けていれば何千万円かの価値のストックオプションを得ることができていたものと思われるが、違う生き方を選んだので後悔はしていない。
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