第43話
ふぅ……食った食った……
春香ちゃんお手製の弁当を食べた僕は、幸福感に浸っていた。
もうそろそろ梅雨か、と思わせるぐらい蒸し暑い。エアコンでも付けようか……と考えていると
パタパタ、と下敷きで扇ぐ春香ちゃんがいた。胸の方が蒸れているのか、そちらに風を送ろうとシャツをめく――
「み、見ないでください」
バレた。
ナニとは言わないが薄いピンク色のナニかがチラッと見えたのでそれだけで満足だ。ええ。
「ごめん、エアコン付けるから待っててね」
と言ったものの、彼女は予鈴が鳴るまで終始不機嫌だった――
*
梅雨前特有の、ジメッとしているけど晴れているという気候が一番嫌いだ――
なんて考えているうちに、終礼になる。
もうそろそろ文化祭の予算の準備だとかを考えないといけないらしく、会計の僕は生徒会に顔を出す回数が増えてきた……
本当に貧乏くじだよ、これ……
まあ、春香ちゃんと会えるからプラマイプラスぐらいだけど。
*
「で、会長は何してるんですか」
生徒会室にはいつものメンバー。
少し違うのは、珍しく会長がいることだろうか。
「私とて万能じゃないからここでしないといけない仕事とかあるのさ」
「珍しいですね」
なんて言っていると……
「皆の者、お久しぶりぃ!」
とノックもせずに入ってくる人。
誰だ……
「お、深雪。珍しいな」
「茜もね〜、と藤原くんも小河さんもお久しぶり!」
――風紀委員長か!久しぶりに見たよ!
そうして二人の先輩に囲まれながら、文化祭の準備の話を進めるのだった……
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