第17話
――大変な目に遭った。
春香ちゃんの周りにいると苦労が絶えない。
「いくらあの人が悪くても殴るのはダメだよ」と僕。
「正当防衛ですっ」
こういう少し頑固な所もかわいい。が、
「あの人まだ手は出してなかったと思うんだけど」
「むぅ〜……」
「でもセンパイのことああいう風に言う人なので、そのうち手は出してたと思いますっ」
まだ言うか。嬉しいけど。
「僕のためでもダメ。もしそれで相手が逆ギレして春香ちゃんに傷つけたりしたら、それこそ僕が迷惑する」
「分かりました。そういうことなら仕方ないです……」
やっと理解してくれたらしい。
「ところで今日は何を買いに来たの?」
駅前で待ち合わせしたのは駅の近くに大型ショッピングモールがあるからなのだが……
彼女が何を買いにきたのか一切聞いていなかった。
「とりあえず服と下着、それに雑貨と本です♪」
……待て、いま何か気になる2文字が聞こえたぞ。
「下着は付き合えないぞ?」
僕がそんな秘密の園に入れる訳がない。主にモラルとかそういうアレで。
「何言ってるんですか?センパイの好みを選んでもらわないと――」
「選びません」
きっぱりと言う。そういう趣味はない(はず)。
「センパイのケチ。選んでくれたって良いじゃないですか〜」
とか言っていると専門店街のフロアに着いていた。
女の子の買い物は長いと聞く。それを覚悟した上で臨むのであった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます