第15話
「ですから〜、一緒にお買い物に行きませんか?センパイ」
生徒会の現状を知った後、いつものように会計の仕事をしていると彼女が話しかけてきた。
かわいい後輩だ。それも二人きりだ。それでも……
「それってデートって言わないか?」
と思っていたことを口にする。
「そうとも言いますね〜♪」
あざとい。
「そういう噂が立つのはマズイんじゃないのか?春香ちゃんは仮にも優良な生徒で通ってるんだろ」
と僕。中間テストも学年一位だったらしい。才色兼備とか妄想の中だけだと思っていたが、実際に見ると近寄りがたいのもわかる。
だからこそ––
「噂?なんでセンパイと噂が立つとダメなんですか?」
いつもこの調子だ。この子は自分の置かれてる立場を理解してるのだろうか?
「今、自分の置かれてる立場を理解してないだろって顔しましたね?」
図星だ。人の心を読まないでくれ。
「自分でも理解してるつもりですよ。でもセンパイと一緒にお買い物するぐらいなんともないことじゃないですか」
「それに不純異性交遊でもないんですし」
それはその通りなんだけどね?そうなんだけど……
「それとも私とお買い物に行くのは嫌って言うんですね」
「いや、そういう訳じゃ……」
「じゃあ行きましょう。とりあえず今週の日曜日とかどうですか?」
俺の意思は無視か。
「わかったよ。じゃあそうしよう。」
了承した時の嬉しそうな彼女の顔を見てドキっとしたことは秘密にしておこう。
「で、ついでと言ってはなんですけどセンパイのアドレスとか教えてください♪」
一瞬、固まった。
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