第5話

 生徒会室へと向かう途中、部活見学をしている新入生とすれ違う。去年の今頃は僕らもそうだったんだな……などと感傷に浸っていると――



 分からない。




 生徒会室の場所が分からない!



 流石の僕でも焦り始める。普段から自分に関係のないと思うことに、興味を持たないことがこんなところで裏目に出るとは思っていなかったからだ。それに加え、部活見学している下級生に「生徒会室ってどこですか?」なんて聞くわけにもいかない。というかちっぽけなプライド()が許さない。しかし自分では生徒会室を見つけられない……


 逡巡した上での結論は「恥を忍んで聞こう」だった……


 人居ないんだけど???どうなってんのこの学校???

 みんな部活に一生懸命すぎでは???


 非常にマズイ事態になっていると気がつく。すでに各クラス委員の集合時間はとっくに過ぎていた。


 *


「ぜぇ…ぜぇ…」とでも聞こえそうなほど息が上がった頃、やっとの思いで生徒会室を見つける。腕の時計をちらりと見ると30分以上の遅刻だ。

 やらかしたなぁ……と思いながら扉を三度叩き、「二年三組の藤原です、失礼します」と言いつつ開ける――




 美少女が、いた。


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