蒼い月

窓から見える三日月は

黒い闇に光っている

光がぶれて見えるのは

涙が瞳を覆ったから


あなたの背中に爪を立て

汗ばむその硬い肌に

三日月の傷をつくるのよ

揺れて揺れて、その傷は

赤い月に変わっていく

痛みにゆがむ、その顔で

愛している、と囁いて


蒼い月が見下ろした

あなたの背中の赤い月


これがわたしの罪でしょう


あなたに深く刻み込む

わたしという名の甘い刹那

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る