第11話 現代への帰還

投稿遅れました。理由?サボってたからです、ハイ。許して下さいなんでもry

ーーーーー

散々屋台で食べ物を貪り食った後、俺達は夜の闇に染まった現代へと戻ってきていた。



「あー、疲れた」



「でも美味しかったですねぇ…」



二人でそれぞれ感想を口にした後に、少し前の出来事に軽くため息を吐く。



「レストとクリシュを誤魔化すの大変だったな…」



「凄い執念でしたね…」



レストが俺達が帰る時に「どこかで宿をとってるんですか?」と聞いて来たので「いや、とってないけど」と言ったらレストが「僕の家に泊まりませんか?」と言って執念深く食い下がって来たので説得するのにとても苦労した。



「もう二十時か、もう飯は要らんし風呂沸かしておくぞ」



「はーい、じゃあアニメ見ときますね」



ササッと手際よく風呂にお湯を沸かして、ついでにベランダで干している洗濯物を取り込み、他の家事をこなして洗濯物を仕舞ってる時にふと思い出す。


「そういやシュースの服あれしか無いな」



良く考えてみればシュースは昨日から今まで服を着替えてない、つまりシュースは服をあれしか持ってないという事だ。



「はぁ…今度買って来てやるか、ずっと同じく服とかなんか嫌だし」



家事を全て終わらせ、今日の疲れを癒す為にフラフラとお風呂へ向かって行く。最近走ったり長距離を移動したりしてなかったから足が痛いな…



「ふぅ…」



風呂に辿り着き、さっさと服を脱いでなんの警戒もせずに風呂の戸を開けた。






























風呂場から鳴るシャワー音と足元に落ちている白いワンピースに気づかずに。



「ふぇ?」



「えっ」



気づいた時には既に手遅れだった。目の前にはシャワーを浴びて水を滴らせたシュースが真っ裸で立っていた。目が合い、数秒間見つめあっていると、シュースが正気に戻り顔を真っ赤に染めて



「ああああああぁ!?」



近くに置いてあった桶を思い切り投げつけてきた。



「うおっ、おまっ!?」



普通なら、ここで桶で気絶したり吹っ飛ばされたりするのがラノベではテンプレだろう。だが俺には能力がある、俺は心の中でこっち投げてくんな!と反射的に拒否の能力を発動した。


その直後、桶は俺に当たったかと思うと目の前で止まり、逆に投げた側であるシュースに向かって跳ね返った。



「ぐふっ!?」



桶はそのままの速度でシュースの顔に直撃し、シュースは吹っ飛ばされた。



「ぐおぉぉぉぉ…頭が、頭がぁぁ!!」



「急に桶を投げたらびっくりするだろっ!」



「いやいや、紅夜さんが急に入って来たからですよね!?」



「気づかなかったんだよ!」



「そう言ってわざと入って来たんじゃ…変態ですかっ!」



「変態じゃねーよっ!幾ら綺麗でもロリに反応するかっ!」



シュースがピクッと反応する。



「ほ、ほほぉ?ロリには絶対に、何をされても反応しないと?」



何故かシュースはロリという言葉に反応し、黒い笑みを浮かべてさっきまで真っ裸なのを気にしていた筈が隠す気も無く此方に歩み寄ってくる。

その態度の急変に少し戸惑う。



「お、おう誰が幼女に反応するか」



「そうですか…なら、こうしてやりますよぉ!」



ニヤリと黒く笑ったシュースは、こちらへ飛びかかって来た。



◇◇◇



数十分後、リビングでは風呂から上がった俺と、真っ赤に染まった顔を手で覆い隠したまま床でゴロゴロとローリングしているシュースがそこにいた。




「ああああああ!」



「はぁ…」



風呂で疲れを取る筈が逆に疲れた。俺の身体を洗ってお風呂に一緒に浸かるって、あいつは何をしたかったんだよ…そういや途中でなんか、こう、モワッとした様なモノをシュースから感じて嫌な予感したから拒否したけどなんかまずかったか?



「なんなんですかねその溜息、女神の裸見て何とも思わないんですか」



「そりゃ、ロリだし」



「あぁぁまた言われたぁ!」



「そんな事より、さっきお前から何というか、変なモワッとしたモノを感じたんだが」



「そんな事って…というかやっぱり気づいてたんですね、魅了チャームの魔法に」



ハァと溜息を吐く様に言ったシュースの言葉に俺は頭を傾げた。そしてなんとなく理解した、シュースこのバカのしようとした事に。



「おいおい、まさかお前…」



「えっと…もしかして知らずに無効化してました?と言う事は…」



俺がシュースが魔法を使った事を知っていたと勘違いして先程自ら話した事を思い出したシュースは顔を青ざめた。



「そうかそうか、シュース、お前はそんな事をしてたのか」



「ひえっ!」



シュースとは正反対にとても爽やかな笑顔を浮かべた紅夜は怯えるシュースへと近づいて行く。ただし、紅夜の目は笑っておらず背後には黒いオーラの様なモノが幻視出来る。



「シュース…」



「は、はいっ!」



「言い残す事は?」



「見逃して下さい」



それを聞いた紅夜はフッと目を閉じた後、目を開き、さっきと同じ爽やかな笑顔をシュースに向けられ、シュースは一瞬希望を見出したが



「だが断る」



無慈悲な死の宣告を受けたシュースは絶望のどん底に叩き落とされた。


この後の結末についてはジャーマンスープレックスと夜闇に女の子の短い悲鳴が響き渡ったとだけ言っておこう。

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異世界転移は拒否っていいよね? 黒狐 @kurokitune0208

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