第26話

―三日後の朝。



蟻人達が荷物を大きな箱へと積み込んでいた。


「もうすぐ出発の時間だ、積み忘れは無いな?」


「だいじょーぶ、全部確認済みだよー」


「後はロスト様達を待つだけだな」


蟻人達が話していると、家の扉が開き、ロストとレティが出てきた。


「待たせてすまない、今日も良い天気で何よりだな」


「そうですね、ロスト様、レティ様、荷物をお預かりしますね」


「うむ、頼んだぞ」


「よろしくお願いします」


ロストとレティは蟻人達に荷物を預けた。


「さて……おーいクロー!」


ロストの声を聞いて、クロがロストの元に来る。


「グルルルルゥ♪」


「クロ、今日は竜王国までよろしく頼むぞ」


「クロちゃん、よろしくね♪」


「グルルルルルルゥ♪」


ロストとレティに撫でられて、クロは嬉しそうに鳴いた。


ロスト達は二日後に行われるグレンの結婚式に出席するため、竜王国ザークに向かう準備をしていたのだ。


ロストはレティを抱き抱えてクロの背に飛び乗り、蟻人達はクロの尻尾と箱に縄を巻き付けた。


「師匠ー!」


ロスト達が出発の準備を済ませた所にラック達がやって来た。


「ラック、俺達が出かけている間、家の事は頼んだ、それと修行は怠らないようにな」


「分かりました師匠! いってらっしゃいませ!」


「ロストさん、レティちゃん、いってらっしゃい」


「いってらっしゃいませー!」


「……お土産、よろしく……」


「クロ、飛べ!」


「グルルルルゥ!」


ラック達に見送られながら、ロスト達は竜王国ザークに向けて出発したのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る