第21話
―ラックがロストの弟子になった翌日、ロストの家の隣に小さなログハウスが建っていた。
「うおおおおおおお!」
ラック達が鍬で地面を耕していた。
「ふぅ……これだけやれば十分だろう」
「つ、疲れました~……」
「……畑を耕すのって、こんなに大変なんだ……」
ティアとシキが地面に座り込んだ。
「……ねぇラック、何で私達は畑を耕しているの?」
「師匠がまず最初に畑を耕せと言ったんだ、……恐らくだけどこれは修行の一環だと思うんだ!」
「畑を耕す事が修行?」
「ああ、師匠はきっと腕力と足腰を鍛えるために俺達に畑仕事をさせているんだよ! 日常生活の中に修行ありと言う事を教えるためにわざわざこんなことを……流石師匠だ!」
「ほ、本当にそうなの?」
「本当さ! さぁ次は種を撒いて水を与えよう! その次は薪割りだ!」
ラック達が畑仕事をしている中、ロストは庭で日向ぼっこをしていた。
「……あの、ロスト様? あの少年あのような事言ってますけど……本当にアレが修行なんですか?」
「ん? 何がだ?」
「あの畑仕事が修行だってあの少年が言っているのですが……」
「いや、そろそろ魔野菜の種類をを増やそうと思っていたのでな、あいつらにそれを手伝わせているだけだぞ? ずずっ……」
「……だと思いましたよ」
ロストの言葉に蟻人がため息を吐いていると、レティがロストの元に歩いてきた。
「兄様、お菓子を持ってきました、今日はビスケットを作ってみました」
「おお、これは美味そうだな、どれ……うむ、美味い! レティの作る菓子は全部絶品だな!」
「ふふっ、ありがとうございます、兄様」
レティは畑仕事をしているラック他の元に向かった。
「皆さん、お仕事お疲れ様です、皆さんの分のビスケットも作ったので食べて下さい」
「本当!? ありがとうレティちゃん」
「美味しそうですね~♪」
「……ありがとう」
「それじゃあ早速いただこうか」
畑仕事を終えたラック達は、レティのビスケットを食べ始めた。
「美味しい! 美味しいですレティさん!」
「本当、こんな美味しいお菓子初めてだわ」
「お茶と合って美味しいですね~♪」
「……絶品」
「ふふっ、喜んでいただけたようでなによりです」
「レティ、魔茶のおかわりを頼む」
「あ、はい! 今淹れます」
―こうして、今日もロストとレティはのどかな一日を過ごしたのであった。
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