第15話

―翌日、早朝。


ロスト達は玄関前に集まっていた。


「まさかあのタイミングで台が壊れるとはな…」


「今回も引き分けか…これで通算550回目の引き分けだな」


「ああ、決着はまた次回に持ち越しだな…次こそは絶対に俺が勝つ!」


「いいや、俺が勝つ」


ロストとグレンの隣でラピスとレティが別れの挨拶をしていた。


「じゃあねーレティちん、また遊びに来るからねー♪」


「さようならラピス様、その時は美味しいお菓子を用意しますね」


「本当!? 約束だよー♪」


レティ達が別れの挨拶を済ませた隣で、ロストとグレンは固い握手を交わしていた。


「さらばだ友よ、式には絶対に来てくれよ」


「勿論だ」


「それじゃあロストちん、またねー♪」


グレンとラピスが翼を広げ、空へと飛んで行った。


「とても楽しい人達でしたね、兄様」


「そうだろう? 一緒に居ると退屈しない面白い奴らだ、だが俺が一番ずっと一緒にいたいなと思えるのは、やはりレティだけだな」


「あ、兄様…」


ロストの言葉を聞いてレティが顔を赤くした。


「さて、それでは朝食を食べるとするか、レティ、今日のメニューは何だ?」


「えっと、今日はパンとポトフです」


「それは美味そうだな、ではリビングに行くか」


「はい、兄様」


ロスト達は朝食を食べるためにリビングに向かった。















―ロストの家から西に数キロ離れた場所。


森の中を4人組の男女が歩いていた。


「ねぇティア、本当にこの方角で合ってるの?」


緑髪の耳長少女は紫髪の少女に問いかけた。


「はい、占いの結果ではこっちだと」


紫髪の少女の言葉に黒髪の少女が口を開いた。


「…その占いが当たった事は、ほとんどないけどね」


「だ、大丈夫です! 今度こそ絶対間違いありません!」


「…その言葉を聞くの、もう10回目、それでよく間違いないなんて言えるね」


「う、うぅ…」


黒髪の少女の言葉に紫髪の少女が涙目になる。


「止めなさいシキ、今回もティアを信じて進みましょう」


緑髪の少女の言葉に、金髪の少年が賛同する。


「リリィの言う通りだ、ティアの占いを信じて突き進むもう! 目指すは魔王城だ!」


この金髪の少年の名はラック。


ベルパニア王国1501人目の勇者である。

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