第2話 冒険者ギルド2~属性を決めましょう~

 「決まった?」

 僕は考えた。それはそうだろう。これからの自分の方向性がこの一瞬で決まってしまうのだから。それでも小一時間ほど悩んで、

 「はい。ファイター(戦士)にします」

 「分かったわ。それなら今度は属性を決めなくちゃね。属性は全部で6個。基本の四大属性の風、炎、水、土と応用属性の聖と闇。これで全部で6個。まあ、ソーサラー(魔法使い)系統じゃなければ、あまり気にすることはないわね。もっとも自分では決められないんだけど」

 「自分で決められないんですか?」

 「うん。そうなの。残念ながら、こればかりはね・・・。ファイター(戦士)ならHP(ヒットポイント=体力)と基本攻撃力が高くなる炎、精神力が高くなる水、敏捷力が高くなる風、MPメンタルポイントと基本防御力が高くなる土、基本四大属性ならどの属性でも構わないだろうけどね」

 「応用属性だとどうなるんですか?」

 「もっともな質問ね。まず聖はHP、精神力、敏捷力が高くなる。闇はMP、基本攻撃力、基本防御力が高くなるわ。もっとも、私は応用属性持ちに会ったことないけど」

 「なるほどー」

 「じゃ、測定するからこっち来て」

 と、さっきのカウンターの左側に何かがある。

 「この装置が属性測定器。属性には第1属性と第2属性があって、一応は第1属性の方が優先されるんだけどね。じゃあ、両手をかざしてみて」

 そのカウンターには大小2つのよく占い師が使うような水晶球が置かれていた。大きめの方は直径が人間のこぶし4つ分位はありそうだ。逆に小さい方はこぶし1つ分位しかない。そこに両手を置けばいいのだろうか?

 「そう。ここに両手をかざしてみてね~」

 妙にテンションの高いファリナさんを置いておき、水晶球に両手をかざしてみた。


 しばらくしてから、水晶の色が変わった。大きめの方が白、小さめの方が黒というより漆黒の闇色だった。それを見たファリナさんの顔色が変わった。

 「嘘でしょ!」

 僕には何がそんなに一大事だかよく分からなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る