第9話 エロについて

 エロ(アダルト向けの描写)についての質問が2つほどあったと思います。

 私も第2部の時に、前方にいたスタッフさんにお聞きしました。


 いただいたお答えは、


—— エロはダメです。

でした。


 わかります。エロはだめです。

 私もそう思います。


 恋愛、書いてますけど……。

 BL、書いてますけど……。


 とりあえず、ここではエロについて、私が思うことを書きます。

 作家としての死活問題だったので、とても真面目に聞きました。


「12歳の子が、読んでも大丈夫な作品を投稿してください」

だそうです。


 それを聞いて、『え~~~~!!!』、とはなりませんでした。

 むしろ、そう言ってもらえて、ホッとしました。



—— 全年齢対象向けの、健全なサイトにしたい。



 そうしてください。

 そこに引っかからない、健全なエロを私は書きます。




◇◇◇




 でも、エロを入れるか入れないかは、悩むところだと思います。

 それまで清純な小説を書いていたのに、いきなりそういう話になると……、逆に萌えるかもしれませんが、やはり最初のイメージが崩れて、残念と思われてしまうと思います。


 清純派女優が、AV女優になってしまうとショックですよね。

 例えてみた自分がよくわかっていません……。

 ショックなのか? それ。


 昔、大好きだった小説家さんのお話が、いきなりエロ満載になっていたことがあって、あまりにも衝撃を受けて、本を読むのをやめてしまったことがあります……。


 その小説家さんの状態がどうだったのか知りません。

 今になって思うと、編集さんに言われて嫌々書いたのか、自分でこれが書きたいと言い張って書いたのか……。


 それに、綺麗なお話ばかりでも、ダメだと思います。

 いろいろな種類の本があって、いろいろな気分の時に、いろいろ読みたいと思うはずです。


 ただ、エロが入っていると、読者さんがとてもよく読んでくださいます。

 comicoさんでは、特にそれが顕著のように感じました。


 ノーマルなカップリング(NL:男女の恋愛)でもエロが強烈に入っていると、ランキングの上位に行けるようです。


 ゆるふわ恋愛が人気なのがcomicoさんの傾向のようです。

 ただ、最近は参考にも読んでいないので、なんとも言えません。

 ちょっと時間が取れなくて、パソコンの前に座ると、書く方に集中しています。


 ただ、BL作品だと面白くなくても読まれます。日動するランキングで、オススメ数が少なくても読まれている場合はだいたいBLです。

 私も参考のために読んで、『ふざけんな、このレベルでBLとか言うんじゃねえ』と、心の中で絶叫することもややあります。


 ちなみにBLはボーイズラブの略で、男性同士の恋愛です。私はストレスがたまると、猛烈にこれを書きます。


 嫌々書いてません。

 とっても楽しんで書いています。


 ただ、エロは諸刃もろはつるぎです。

 よく読まれますが、評価されにくいとも2chで書かれています。


 エロ全般に言えることらしいですが、

—— それを読んでいることがバレると、人格を疑われる。


 ★をつけたりすると、それを読んでいる証拠となってしまうので、読んだ形跡を残さないためにも、評価をしづらいそうです。

 読んだだけでも残るけど、それはどうするんだ? とも思います。

 ただ、そういうのを読んでいるとバレたら恥ずかしいです。


 そんなものを読んでいることが家族や友人にバレたら、逃げます。

 BLを書いているなんてことは、何が何でもバレないようにしなければと思っています。


 ただ、最近は少し事情が違うかもしれません。

 エロいと読んでいただけて、★などの評価も高くなります。


 私も本当に面白いと思えば、作品を評価するボタンを押します。

 めったに押しませんが。


 BLとつけるだけで読まれると、BLがとてもよく書かれるようになってしまいます。


 ランキングにも載るようになると、BLが乱立します。

 気持ち悪いほど書かれるようになっていました。


 しかも、『いくら男同士だからと言って、こういう気持ちにはならないだろう?』という疑問符がたくさんつくような作品も少なくありません。


—— そういう趣味の方がいたとしても、その人だって、人間なのに……。

と私は思いました。


 本当は好きなのに、それを隠して素っ気なく振る舞う大人の男性。の方がよくね?

 好きなのに、好きと言ってはいけない関係。の方が萌えるよね?


 それで、読むのはやめて、書く方に集中しています。




 そのcomicoさんの2chに、

「エロを強調した少女雑誌は一時期部数を伸ばしたが、そうすることによって、サイレントマジョリティが離れてしまい、衰退してしまった」と書いてありました。


 メジャーな雑誌名が書かれていました。

 私もその時期の、その雑誌を目にしていて

「これ、受け入れられないや」と思った記憶があります。


 レディースコミック並の内容だったと思います。

 かわいいイラストのやけに目がでかい中高生が、『え?』と思うことをしていました。


 それ以来、その雑誌には良い印象がありません。


 サイレントマジョリティをググってみました。

 欅坂46が主に出てきましたが(5/15現在)、その中から純粋な意味を探すと、『公の場で意思表示をすることのない大衆の多数派』と出てきます。アメリカのニクソンさんが言ったことだそうです。政治的な意味合いが強い言葉のようですね。


 発言しないこの人たちを味方にできると強いです。

 欅坂は『個性を大切に』ということのようですが、ここでは本来の意味でいきます。


 個性のある人間でも、ほぼ全員が考えることもあります。

 例えば、『お腹がすいたら何か食べたい』のような。


『何を食べる?』で個性が出て、和食・中華・イタリアンのように差が出てきます。小説やマンガでは、それがジャンルにあたります。


 サイレントマジョリティは恋愛に興味があるはずです。

 これは、普遍的なテーマだと思います。


 人間が恋愛をしなくなってしまうと、種の存続が危ぶまれる事態に陥ります。だから、恋愛・性交渉に興味が行くのは、人間として正しい反応です。


 なぜ、サイレントになってしまうのか。

『彼氏(彼女)欲しい!』と、浅ましく叫びたくないからです。


 でも、興味はあります。

 ゆえに、伸びます。


 その時に、「……ここまでしなきゃ、いけないの?」という内容だと、サイレントマジョリティは離れていくように思います。

 残るのは、ノイジーマイノリティ(騒がしい少数派)です。


 従来なら、ちょっとエロが入るけど、ストーリーが面白い。という物がヒットしていたのだと思います。

 服装がエロかったり、それでもそれがすんなり受け入れられてしまうようなストーリーの面白さ。


 そういうのを支持しているのは、サイレントマジョリティだったと思います。

 感覚として、そういう人が、ライトノベルを見限ってしまっているような気がします。


 ノイジーマイノリティの意見を取り入れ、サイレントマジョリティの意見をないがしろにすると、サイトは衰退します。



 お金を払ってでもエロが見たいという方のために課金をすればサイトの存続が期待できるかもしれませんが、サイレントマジョリティが去ってしまった後では、になってしまうと思われます。


 それがいいか悪いかは、私にはわかりません。

 もしかして、私がノイジーマイノリティだと思っている方々が、サイレントマジョリティなのかもしれません。

 そこまでの詳しいデータを私は持っていないので、これは予想です。


 ただ、エロを推奨してしまうと、そこまでのサイトになってしまうと思います。

 今のネット事情でそんなことを言っても……、という意見、多いと思いますが、そういう規制も厳しくなり、書籍化・アニメ化等を視野に入れると、長い目で見れば、そうでない作品が有利なのではないでしょうか。


 ただ、ネット小説は黎明期れいめいきだそうです。

 将来、何が受け入れられるかということは、誰にもわかりません。


 思いもよらない手法が、メジャーになってしまうことも考えられます。

 以前はYouTubeのように誰でもネットに投稿できて、誰でも注目を浴びることができるものができるなんて、考えられないことでした。



 だから、カクヨムさんもその辺りをきっぱりと言い切れないのだと思います。

 このエッセイを書きながら、自分の意見が受け入れられるのかわかりません。


 自分の調べたことやしたこととその結果を、私の意見で書いてみようと思っています。


 次は、私なりの健全なエロとはを考察してみます。

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