第8話 質疑応答

 それから質疑応答になりました。

 気になったものが2つほどあったので、それについて書きます。


「ちょっと閲覧が増える作品があると、それを真似する人が増えて、そのジャンルが乱立するようになる。そうすると、一番初めに書いた自分の作品が埋もれていってしまう。その対策などはしてくれないのか」


 みたいな感じなことを言った方がいたと思います。

 だいたい、こういう意味だと思いました。

 コロンブスの卵のような感じのようなイメージです。


 それに対する答えは、「できるだけ、そういうことがあっても、はじめの作品を取り上げるようにしたい」と、カクヨムさん側は答えていましたが「後から出てきた話の方がより完成度が上がっている場合がある」みたいなことを質問者さんが言うと、ちょっと歯切れが悪くなりました。


 後発の方が面白かった場合、そっちを取り上げる可能性がなきにしもあらずなのか、リサーチ能力に自信がなく、そういうのはわかりませんという意味なのか。

 そんなことはありません。と、質問者さんが安心できるような返答ではなかったような気がしました。


 質問者さんは、『ノーベル賞は一番初めのアイディアを出した人が受ける』みたいな、保障が欲しかったのかもしれません。


 意味が違うかもしれませんが、私なりの解釈だと、「真似されたくない」ことだろうと思いました。


 以前、数少ない小説を書く知人に言われたことがあります。


「ネットで小説を書くと、それを盗作されることがあるんじゃないか」

 だから、ネット小説は書きたくないと言っていました。


 それは、とっても怖いことだと思いました。

 知的財産権にも関係あることです。


 一番初めに、そのジャンルを書き出したのは誰か。

 せっかく自分がそのジャンルのパイオニア的に書いていたのに、後から後から似たような話が出てくる。

 しかも、後発の話の方が、読まれたり評価が高かったりして、ランキングも自分の作品よりも高くなっていたりする。


 悔しいどころの話ではありません。

 この質問者さんのような場合以外でもあることです。


 ランキングは、上位にいられれば励みにもなりますが、一度上位にいる喜びを知ってしまうと、落ちるのが恐ろしくなってしまいます。

 だから、「ランキングのブラックボックス、ユーザーに見えない数字がランキングに影響している」ことに、皆、戦々恐々としてしまうのだと思います。


 ランキングが気になってしまうと、落ち着いて小説が書けなくなります。

 そこに載るためには、毎日更新、より気に入られるように、ストーリー軽視、エロを入れる等の小手先の作戦があふれるようになったりします。

『ウケがいい』という理由で、似たような話が乱立します。


 それは、ネットで小説を書いたことがある人、全員が感じたことがあり、皆がそれに左右されてしまっていると思います。



 それの簡単な対処法があります。

 ものすごく簡単で、絶対的な手法。


—— おもしろい話を書けばいい。


 これだけです。


 後続を圧倒するような、面白い話を書けばいい。

 それで解決です。


『でも、自分の作品が正しく評価されないことがある』

 わかります。自分の作品は、かわいいし、とても大切です。


 自分の作品よりも、おもしろくない作品がランキング上位にいる。

 みんな、ほとんど全員の人が思っていることだと思います。


 そして、そう思っていないのなら、小説を書いて投稿する意味がないと思います。

 自分の作品を好きでも何でもない人は、書かないでほしいとさえ思います。


 自分に自信を持ちましょう。

 あなたの作品は、後続に負けません。


 いちばんはじめにその手法を編み出したあなたの才能を信じましょう。

 真似をされたということは、あなたが全力で書いた作品を、真似をした人が認めてくれたのです。

 その力を信じて、あなたの作品の完成度をさらに上げましょう。


 もし、その全力の作品を凌駕する作品が現れたのなら、その作品を分析して良い所、悪い所をみつけ、それが自分の作品の優れた部分よりも上だと感じたのなら、素直に負けを認め、次につなげ、それを超えるものを書きましょう。


 たとえ真似だったとしても、もしかすると、それだけの力がある人なのです。

 その人の能力をより分析して、自分に取り込むくらいのことをしましょう。


 もしそれが屁でもない作品だったのなら、さらなる分析です。

 それで、次作をカクヨムさんに載せるかどうか、検討してください。


 ここは、クラスター問題ともからんでくると思います。

 それについては、後述します。


 他人の作品を真似することでしか認めてもらえないような人には、次作は作れません。もしその人がプロになれたとしても、待っているのは針のむしろでしょう。


 それの見分けがつくかどうかが、カクヨムさんの度量だと思います。




 もう一個の話はエロについてですが、これは長くなりそうなので、次の話にします。

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