第9話 相談部Ⅱ

 廃部?

「相談に乗ることでその依頼主に対する責任が生じる。責任を果たすことができなければ、相談部は廃部する。これが相談部設立の際に学校側と交わした約束よ。といっても、さっき言ったみたいに学校での相談事だから大したものはこない。気楽に構えてもらって大丈夫だと思うよ、私は。それに、その厳しい条件に加えて、相談部はいろいろと学校の運営に直接的に貢献していることもあって、色々と優遇してもらっているの。例えば――」

 先輩は部屋の床を指さした。

「地学準備室は基本授業時間中でもめったに使われることはないから、放課後でなくてもこの部屋を基本いつでも使うことが許されているわ。もちろん、授業をさぼってこの部屋で過ごすのはダメだからね。空きコマや昼休みなんかで使ってもオーケーってこと」

 おお、軽いプライベートスペースができるみたいなものか。

「――あとは、特に相談事が来ないときは、この部屋をどう使っても構わないわ。勉強したり、読書したり、絵を描いたりとかね。ここは学校だから、その範囲を逸脱するような行動は避けてほしいけどね」

 学校で読書に没頭できる場所、だと……。

「今のところ思いつくのはこのくらいかな。また思い出したら随時伝えていくね。――どう、入部したくなってきたでしょ」

 相変わらず晴人は下を向いたままだから、何を考えているのか分からない。先輩は俺の方を見つめてくる。

「はい、入ってもいいかなと思っています」

 感情を表に出さないように努めながら、俺はそう答える。

「私も入りたいと考えています」

 “彼女”も頬を少しばかり紅潮させながらそう答えた。

「……僕も入部します」

 うつむいたままの晴人もそう答えた。

 俺たちの返事を聞くや否や、桜井先輩は教室の窓を指さした。

「よし、じゃあ入部試験を始めようか」

 ……入部試験? 窓?

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