入りにくい!

 入りにくいお店。

 一言で言っちゃいけない、入りにくい理由はいろいろあるよね。


 たばこの煙が駄目でもうもうとしているから!

 大人のお店!

 うわー、生理的に受け付けない!


 今回、そのあたりはわきに置き、気になるけど入りにく……間口が狭くてとかそういう感じで。


 そもそも、牛丼屋さんやファミレス、レストランなどなどに一人で入れないころもあったよ。

 今もそんなに牛丼屋やファミレスも使わないけど、入ろうと思えば入れる。


 ある意味、強くなった!

 それが年を重ねるということだね。


 高級なお店はランチタイムっていうのがあると、勇気が湧いては入れる。


 入りにくさの第一は入り口が狭く、中が見えない。

 第二は「カウンターしかない」というのもある……けれど若かりし頃は、特にね。


 だから、外で食べるとなると、パン屋さんや対面式のすし屋で買って、職場で食べるっていうのが多かった。あとはコンビニ。


 でも、勤める期間が長くなると、町と打ち解けて、肉屋の総菜買ってみようとか、総菜屋さんがどこそこにあるとか知っていくのだ!


 そんなこんなで勤めていれば気になる店もあり、入った。

 勇気を振り絞って入る。今なら「あー、入るかぁ」って感じで入れるレベルだけど、当時は、本当、勇気が行った。


 駅ビルではないけど、駅についているビルにある飲食屋である。

 比較的新しいビルだし、整備も行き届いているからこぎれいだ。


 入った店は居酒屋風だけどうどんがあった。

 わたしはうどんが好きだ。


 きつねうどんのセットで、かやくご飯もついてくるの。

 かやくご飯というか炊き込みご飯も好きなのだ!

 つまり、このランチセットは、わたし好み。


 入ると同じく躊躇した点がもう一つ――。

 ――お値段は当時の時給分。


 ……時給分。


 だから、給料日だけって決めて行ったのよね。


 今思えば、つつましやかな生活だったわ。


 京風だったのか、関東風だったのかすら記憶にないけどね! 後々、このタイプだと関西というか京風に多いかなと思ったり。


 この町にある甘味屋も行った。


 テレビで取り上げられて人気のところ。並んでいない時にすすっと入る。並びたくないよ。友人とかと一緒ならいいけど、独りはつらい!


 抹茶ババロア、美味しくて、何度も通った。違うのも食べるようになったのよね。

 釜めしも時々食べたいけど、食べると甘味は……いや、別腹よね!


 その町にあるひっそりとある甘味屋にも行った。

 慣れてくると歩き回るのよ。


 当時は裏も表もおばあさんたちが運営しているという状況だった。

 開店している時間だったけど「早いわね」とか言われた……ような……お、おおう。気のせいかな?


 何度か通っていると……と言っても年に一回だけだったけど……だんだん、いろんな人が来ていた。

 近所の人から観光客まで。

 わたしは……たぶん、女一人で荷物もってフラリだから、仕事の合間の人かな?


 入りにくい店は、結局は入れず仕舞で転職した。

 そのあとも町には通っていたのだけど、わざわざ入らなくて。


 だって、カレー屋だよ?


 いや、カレー好きだし、カレー屋は悪くないけど、なんというか、カレーだよ?


 本格派だったら一回勇気を振り絞って入ったかもしれない。そして、二度と行かない……理由は、スパイス強いと体調に合わない……ただ、それだけの問題。


 西洋風というか、和風というか、そのようなカレー。

 なんというか、昼休みにふらっと入るタイプ。


 それこそ、なんで入らなかったの、勤めているときに! と自分をしかりつけたくなる。


 一時期不動産屋になっていたような気がした。同じビルの隣の勘違いだと思う、今は。

 うん、そこに、不動産屋あるから。


 結局……入らずしてン年が過ぎたのだ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る