BAR『ポストの墓場』

【Log 09956-aa】~【Log 09956-ab】

【Log 09956-aa　：　プラクトー星間通信管理局より提供された報告文書-1】

第八次一斉メンテナンス結果に関する特別報告書

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SA.23/12/22

　　　　　　　　　　　プラクトー星間通信管理局情報管制課　アクトゥルス〔印〕

　今回のメンテナンスに於いて、以下のマルウェアを通信用サーバからダミーサーバへ隔離・削除し、識別コードを割り振りました。確認の上、管理名簿から削除済みマルウェアの除名を行ってください。また、本隔離サーバ『神曲』担当者へは、カウンターウォール『辺獄』の調整日時と共に追って詳細を通達します。

隔離

・SS+級 非分類マルウェア『ラファエル』

・SS級RAT『ミカエル-マザー』

・S+級ウィルス『ガブリエル-マザー』

・S級ワーム『ラグエル-ネスト』

削除

・S+級ランサムウェア『シェミハザ』

・AA級BOT『ネフィリム-マザー』

・A級ウィルス『バラキエル-マザー』

・A級トロイの木馬『サリエル』

・B級ワーム『アルマロス』『カカベル-ネスト』『タミエル』

・C級ウィルス『ペネムエ』

　マザーウィルス以外のウィルスプログラム、及び今回のメンテナンスで隔離・削除に失敗したマルウェアは現在、全域型管理AI『ベアトリーチェ』による探索と全域型攻撃AI『カト・マイナー』による抹消作業を続行中です。

　第九次一斉メンテナンスでは以下のマルウェアの隔離・削除を第一級優先案件とします。次回メンテナンス担当者及び本隔離サーバ『神曲』担当者は、別途通達される詳細を参考の上対策をお願い申し上げます。

・SS級キーロガー『メタトロン』

・S+級トロイの木馬『ウリエル』

・AA級ワーム『エゼキエル-ネスト』

・B級ウィルス『アラキバ』

【Log 09956-ab　：　プラクトー星間通信管理局より提供された報告文書-2】

第八次一斉メンテナンス結果に関する追加報告

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SA.23/12/24

　　　　　　　　　　　プラクトー星間通信管理局情報管制課　アクトゥルス〔印〕

　今回のメンテナンスに於いてダミーサーバに隔離したマルウェアに関して、中核プログラムの粗解析が完了しました。精密解析は本隔離サーバ『神曲』内で行うものとし、以下に粗解析の結果を列挙します。

・SS+級非分類マルウェア『ラファエル』

分類　　：非分類

タイプ　：攻撃・流動型

感染経路：不明

確保箇所：第8サーバ・A-1経路

挙動　　：無作為なデータの無作為な文字列変換とそれに伴う壊滅的データ破壊

　　　　　データ破壊にともなう消極的な通信妨害

　　　　　サーバ脱出に際するルートキットの設置

　　　　　脱出後のサーバに対する“枝（ブランチ）”、“子（ドーター）”の設置及び継続破壊

　　　　　キーロガーによる個人パスワードデータの盗用

　　　　　自動修復

備考　　：汎用の拘束プログラムを破壊

　　　　　中核プログラム破壊による行動遅延あり

　　　　　中核破壊プログラム『見神』を用いてダミーサーバに拘束

・SS級RAT『ミカエル-マザー』

分類　　：RAT

タイプ　：攻撃・流動型

感染経路：自立移動

確保箇所：第152サーバ・A-548経路

挙動　　：経路内への“枝（ブランチ）”の設置

　　　　　感染サーバ内に於ける通信データ書き換え、増殖

　　　　　“枝（ブランチ）”を通じた他サーバへの流出、他マルウェアの引き込み

　　　　　自動修復

　　　　　感染サーバのマザー化

備考　　：汎用の拘束プログラムによる行動遅延を確認

　　　　　汎用排除プログラム無効

　　　　　セキュリティトラップ『原動天』にて拘束

・S+級ウィルス『ガブリエル-マザー』

分類　　：ウィルス

タイプ　：防御・待ち伏せ型

感染経路：ダミーサーバへの接触・通信（コンタクト）

確保箇所：第5629サーバ・F-672経路

挙動　　：感染サーバ内への“子（ドーター）”設置

　　　　　“子（ドーター）”による積極的な通信妨害、増殖

　　　　　自動修復

　　　　　感染サーバのマザー化

備考　　：機動性ほぼなし

　　　　　汎用排除プログラム無効

　　　　　セキュリティトラップ『至高天』にて拘束

・S級ワーム『ラグエル-ネスト』

分類　　：ウィルス

タイプ　：防御・流動型

感染経路：自立移動

確保箇所：第8935サーバ・D-664経路内第5“枝（ブランチ）”

挙動　　：感染サーバの“巣（ネスト）”化

　　　　　“巣（ネスト）”による通信データの破壊、データ量圧迫

　　　　　自動修復

備考　　：一個体にはセキュリティトラップ『火焔天』が有効

　　　　　汎用拘束プログラムによる行動遅延を確認

　　　　　全ての“巣（ネスト）”をダミーサーバにて拘束

　　　　　残骸のサーバは修復プログラム『新生』によって修復可能

　尚、本隔離サーバ『神曲』の隔離担当者は、事前に配布したこれらマルウェアのプログラムコードを参照の上、隔離防壁『辺獄』の補強及び増設に関する計画書を12/26までにマルウェア対策課主任のカノープスへ提出してください。

　マルウェア隔離のための『辺獄』調整は12/27に行います。

〔-acは機密情報のため非公開〕

〔現在のマルウェアの拘束状況から、当該世界線の保持及び崩壊に関わる重要な情報を含みうる可能性が示唆されるため、第九五五六ログは永久番予定へ変更されました。ログの無断複製・損壊・持ち出しを厳に禁じ、違反者にはペナルティが課されます。また、このログは更なる情報の収集により永久番扱いへと変更されます。　：マスター〕

〔ラファエルは今どうしているんだろうな。そろそろ俺に顔を見せに来てもいい頃だと思うんだが。　：ルーク〕

〔目下調査中です。　：マスター〕