第13話-琴子-

署に着くと、結城刑事と高田刑事がちょうど入ったところに立っていた。

こちらに気づくと、何かありましたか、と結城刑事がこちらへと駆け寄ってきたので、わたしは手紙を出した。

「これ、兄の遺した手紙で…ここ、ここに書いてある、”こうていアナナス”、10-20年に一度咲く花で、圭の家には植物園があるんですけれど、そこに、この皇帝アナナスがあって、綺麗に、咲いてたんです。だから、約束していたから、圭は、今、このタイミングで。…」

結城刑事と高田刑事は手紙を読み、結城刑事はなるほど、だからかと呟いた。

「実は今から、四宮さんのところに行こうと思っていたんです。実は、何か知ってたんじゃないかと思って。」

「裕太が?」

「ええ。とにかく、手紙、ありがとうございます。四宮さんは、今どこに?」

「家にいると思いますけど。」

「ありがとうございます。では、失礼します。」

そう言って2人は出て言った。なぜ裕太に、

話を聞くんだろう。

本当は、何か知ってたの…?

裕太が、圭を…?

そんなはずない。裕太が、そんな事するはずない。

……とにかく、帰ろう。

何かあればまた、結城刑事が教えてくれるだろう。

私はトボトボと家路についた。

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