【大阪人の矜持】的な—与太話

※ 大阪人って——何者なん？

　以前、東京の住人に聞かれたことがある、大阪人って———。

　——大阪人って、「バァーン！！」って拳銃で撃つマネしたら、本当に死んだマネしてくれる、ってホントウですか？

　これの別バージョンもある。刀で切るマネしたら、のたうち回って死んでくれる、ってやつ。

　——うん、ホントウだよ（どっちも）

　——うっそぉー！　打ち合わせナシで？

　——もちろん

　ええ、赤の他人がやって来ても、できる自信はある（ぼくは、だけど）

　もっともこれは、古き良き時代の大阪の姿なんだけど、今や、物騒で変な奴も多いのでよほどのおっさんか、おばちゃん……、もしくはチョケなヤンキーくらいしか最近は対応してくれんかもしれんけど。

　昭和の終わりころまでは確実にできてました（断言）、大阪人ならみんな。

　＊チョケ：フザケ好きなやつ。しょーむないことばっかり言うてるやつ——。

　——なんで、そんなんできるんですか？

　——理由はない。大阪人の義務みたいなもんやな

　——なんか、それできたら、いいことあるんですか？

　——なんも、ないよ。血が騒ぐんやろな、大阪人の

　大阪人の親を持つ子供たちは、親の背中を見て育つわけで、そりゃ当然、黙っててもデキるようになるんです。そうやって、綿々と大阪人のDNAは受け継がれていくのだ——（そんな、たいそうなもんかぃ！）

　　　　　　ボケ　られたら——、ツッコまんとアカン　

　　　　　　これ、大阪人の脳内方程式。理屈やないんです。

　そんな、ですから大阪人が関東に遠征し、盛大にボケても、期待しているツッコミもボケ返しもないもんだから、なんともオモロない。

　逆に関東の人々がケラケラ笑ってるネタを聞いて……

　なにが、おもろいねん？——ってなる。

　挙句は

　——大阪人、笑わすには、百年早いわいッ！

　って一人ツッコミする始末。

　大阪人の笑（わらい）のハードルは高い。

　大阪人にしかわからん、笑のペーソス、みたいなんは確実にあります。

（あ、これ、大阪人の細やかなプライドみたいなもんです。ある意味これは京都人の閉鎖性より酷いかも——とか、時々おもう）

　関東方面の方々ならびにディープなファンの方々には非常に申し訳ないんですけど………

　かの長寿おばけ番組　日曜日の夕方やってる　

あれ——————————【笑点】。

　大阪人はアレで、笑えません——（たぶん……、知らんけど）

きっと異次元の笑の世界なんでしょうね……。

＊大阪人の口癖（その２）　「……知らんけど」と、散々言うだけ言うて、サラリと語尾にこれをつけて、「責任回避」する、という姑息な一面アリ

　ほんわか、ほわほわ、ほっほぉーー♫　（かなり、やっつけな表現で恐縮）

　って、オープニング♫は、NHKの「お昼ののど自慢」のキンコン、カンコン、カン〜〜♫、と相通ずる、ヒンヤリしたもんがあるのは、偏屈な大阪人のワタスだけでしょうかね。

　もっとも、「山田くん〜、座布団一枚っ！」ってネタだけは、ちゃっかりパクってるのは、物の価値評価に厳しい大阪人らしい、っちゃらしい———ですけどね