鈴ルート22話 濡れる2人

「う……ぐす……」

泣き続けて数分、ようやく鈴は落ち着き始めた。

「大丈夫か?」

「ぐず……うん……」

「なら、雨を凌げる場所へ移動しよう。このままだと風邪引いてしまう」

「うん……」

公園内にある木々が生い茂ってる場所へ俺と鈴は移動する。

「水滴は当たるけど、少しはマシだろう」

「……誠」

「ん? なんだ?」

「ん……んん……」

鈴は俺の胸板に寄り添い、上目遣いで俺を見てくる。

「鈴……」

「ん……んちゅっ……」

鈴の求めに応じ、唇を交わす。

「このまま……温めて……」

いつもは強気の鈴が、か細く弱々しい声で発する。それに応えるように俺は体を寄せあう。

「んんん……」

低い気温の中、ポタリポタリと落ちてくる雨水から鈴を庇うように位置する。本当は早くここから離れたほうが1番良いんだろうけど、鈴のことを思うと無理に行くぞとも言えなかった。

その後数十分、小雨になるまで俺は鈴を抱きしめていた。

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