紗智ルート20話 一夜明け、明日への一歩を見つめる

「誠ちゃん……誠ちゃん……」

翌朝、紗智はいつも通り起こしに来てくれたが、その顔には依然として明るさがなかった。

「ん、ああ、おはよう」

「おはよう」

「悪いな、いつも起こしてもらって」

「あたしが好きでやってることだから、大丈夫だよ。それより、足はどう?」

「まだ痛むけど、気にするほどじゃない」

「なら、いいけど……」

「そういう紗智こそ、昨日はちゃんと寝ただろうな?」

「え、ね、寝たよ」

「てい」

紗智の両頬を手で挟む。

「な、ないひゅるの、せいひゃ~ん」

「嘘ついた罰だ」

「うしょなんひぇ、ついてないひょー」

「目の下にくまが出来てる。あんまり寝てないな?」

紗智の両頬から手を離す。

「ご、ごめんなさい……」

「今日ちゃんと寝れば、チャラにしてやる」

「わかった……」

「ご飯出来てるか?」

「うん、出来てるよ」

「食べようぜ。遅刻するといけねえ」

「肩、貸すよ」

「ありがとな」

紗智に肩を借り、リビングまで移動して、すでに出来上がっている朝食に箸をつける。うーむ、この暗く沈んだ雰囲気、どうにかならないものか。

「紗智」

「…………」

「紗智」

「…………」

「紗智!」

「え、な、なに?」

「なにって、さっきから呼んでたんだぞ?」

「ご、ごめん、あたし、ボーッとしちゃって……」

「昨日、ちゃんと寝てないからそうなるんだ」

「うん……。あ、それでなんの話?」

「昨日の水族館、楽しかったな」

「うん、楽しかったね」

「俺さ、水族館って魚がたくさんいるだけのイメージだったけど、他にも色々いるんだな」

「そうだね」

「魚にも色んな種類がいたしさ」

「うん」

「まさか、ホタテやら伊勢エビがいるとは思わなかったぜ」

「うん」

「…………」

完全に上の空になってるな。

「な、なに?」

「そこはツッコむとこだぞ?」

「え?」

「昨日、水族館で俺の言うことが食べ物ばっかりって言ってたじゃねえか」

「そ、そうだったね。ごめん……」

「…………」

これは思ったよりも重症だぞ。


「あたし、鍵閉めてくるから、そこで待ってて」

朝食を食べ終え、家を出てると紗智は率先して玄関の鍵を閉めにいく。

「だから、気遣いすぎだって。ただの捻挫なんだから、それぐらい出来るぞ」

「ダメだよ。悪化しちゃうかもしれないし、そんなことになったら……」

「わかったよ」

「お待たせ、はい、肩」

「へいへい」

正直、1人で歩くなんてわけなかったけど、紗智に余計な心配かけたくねえし、治るまで出来る限り好きにさせておこう。

「体育の授業は休まないとダメだよ?」

「さすがに体育は出来ねえな」

「教室移動のときも1人で歩いちゃダメだよ?」

「階段の上り下りも辛いかもな」

「お手洗いも1人で行っちゃダメだよ?」

「わかって――ん?」

「それと――」

「待て待て。トイレにまでついてくる気か?」

「うん」

マジかよ。さすがに男子トイレに入るのはアカン。

「そこまでしてもらわなくても平気だって。トイレぐらい、1人で出来るから」

「でも、足が――」

「立って小便するだけだから、痛まねえって」

「でも――」

「とにかく、トイレはなしだ。生徒指導受けることになるぞ」

「わかった……」

本当にわかったんだろうな。お、あそこにいるのは三原だな。向こうも俺たちに気づいて近づいてきた。

「おはようございま――ど、どうされたのですか、鷲宮さん!?」

俺が紗智の肩を借りている姿を見て、驚く三原。

「足を捻挫しちまって……」 

「ほっ、捻挫ですか。骨折でもされたのかと心配しました」

「ほら見ろ。捻挫ぐらいなら、こういう反応が普通なの」

俺は紗智にそう言い聞かせる。

「ダメだよ。交通事故なんだから、油断出来ないよ」

「交通事故?! 一体なにがあったんですか?」

交通事故という単語に思わず仰天する三原。

「違うって、交通事故じゃない。なりかけただけだ」

「昨日、誠ちゃんとお出かけしたときに子供が車道に飛び出したの。それであたしが助けようとしたんだけど、結局誠ちゃんが子供とあたしを助けるために怪我して……。全部あたしが悪いの……」

「だから、あれはお前のせいじゃねえって言ってるだろ」

「ともあれ、お二人が無事で安心です。紗智さんもあまり気に病まれず。そのようなこと、誰が悪いというものではありません」

「三原もこう言ってるんだ。紗智が気にしすぎなんだよ」

「うん……」

「さ、さあ、今日も1日長いですが、まずはお昼のお弁当を楽しみに頑張りましょう」

「おいおい、三原。今までそんなに弁当が楽しみなほど、食い意地張ってたか?」

「そういうわけでは――今日のお弁当はなんでしょう、という楽しみと空腹を満たす喜びが同時に味わえるお昼休みは、学園生活の中で1番の心の拠り所だと思っているだけです」

「ははは、小難しいこと言ってるけど、要は昼飯が待ち遠しくて堪らないってことだろ?三原にもそういうとこあるんだな」

「鷲宮さ~ん……」

「なあ、面白えよな、紗智?」

「え、あ、うん。でも、お昼ご飯は楽しみだよね、あはは……」

「…………」

こんな調子じゃ三原だけでなく、他のみんなにも心配かけることになるな。早めにどうにかしないとな。


学園に着いても尚、紗智は俺に肩を貸してくれる。案の定、道行く生徒にチラチラ見られてるのがめちゃくちゃ恥ずかしいぞ。

「なあ、紗智。歩くぐらい1人でも出来るから、階段だけ助けてくれればいいからさ――」

「なにかあったら、危ないよ。治るまではあたしが助けるから」

マジかよ……。あ、俺たちの歩く先に会長と後輩組がいる。

「おはよ――どうしたのだ、鷲宮君?」

「なになに、ひどい怪我でもしたの?」

「怪我に見せかけて、イチャラブですか?」

会長、鈴下、仲野が順番に俺と紗智の状態に興味を示す。

「そうじゃねえって。怪我はしてるんだけど……」

「なにがあったのか聞かせてくれないか?」

俺は会長と後輩組に今朝、三原に話したことと同じことを話した。紗智がちょいちょい口を挟んだせいで、ややこしくはなったけど。

「つまり、ただの捻挫でしょ? 心配することでもないじゃない」

「病院でも後遺症の心配はなしって診断を受けたのですから、早ければ明日明後日には治ると思いますよ」

「でも、もしもなにかあって悪化でもしたら――」

「心配しすぎだ、紗智さん。鷲宮君が大丈夫と言ってる以上、彼を信じてあげてはどうかな? もし、なにかあれば鷲宮君だって、1番に頼るのは紗智さんなんだから、それからでも遅くない。そうだろ、鷲宮君?」

「もちろんですよ。俺にとって1番信頼できるのは紗智ですから」

「鷲宮君もこう言ってるんだ。楽観視しろとまでは言わんが、もう少し穏やかな目で見てもいいんじゃないかな?」

「……わかってないよ」

「紗智……」

紗智は小声で呟く。その声は俺の耳にしか聞こえてなかった。

「すまない、聞こえなかったから、もう一度言ってもらってもいいかな?」

「あ、いえ……なんでもありません。あたし、動揺してたのかも、あはは……」

「紗智さん……」

「そ、それじゃ、あたしたち行きますね! 行こう、誠ちゃん、麻衣ちゃん」

「ああ」

「はい」

「麻衣さん」

教室に向かおうとした三原を会長は引き止める。

「はい?」

「少し話したいことがあるから、来てくれないか? 鷲宮君、紗智さん、麻衣さんを借りてもいいかな?」

「はい、構いませんよ」

「あたしたちは教室に行ってます」

「うむ、では麻衣さん、来てくれ。鈴さんと筒六さんもいいかな?」

「わかりました」

「はいはい」

会長たち、なにかあるんだろうか。


「大丈夫、誠ちゃん? 座れる?」

教室に到着した俺と紗智は自分の席に向かい、着席する。

「大丈夫だって。家でも普通に座ってたろ」

「足どう?」

「少し痛む程度だから、歩くぐらいわけないって」

「でも悪くなるかも――」

「さっき会長たちにも言われただろ? 紗智は心配しすぎなんだよ」

「…………」

「別に紗智に心配されるのが嫌なわけじゃないんだ。だけど、俺の言うことも信じてくれないと、それも悲しいぞ。俺って、そんなに紗智に信頼されてないのかって」

「そんなことない。あたし、誠ちゃんのことならいつだって信じるよ」

「ありがとう。俺も同じ気持ちだ。だから、お前には今の俺の気持ち、わかってくれるだろ?」

「うん……」

「その代わり、なにかあったときは必ずお前だけにはきちんと言うから。それまでは俺のこと信じてくれ」

「わかった……」

「ありがとう、紗智」

俺と紗智の会話が一段落して、三原が戻ってきた。

「すみません、長くなってしまって……」

「三原、遅かったな。会長と何の話だ?」

「えーと、それは――」

「?」

紗智のほうチラチラ見て、どうしたんだ。

「お、女の子のお話なので話せません」

「おお……そうか」

女の子の話ってなんだよ。

「ん?」

三原は自分の席に着く直前、折りたたんだ小さな紙切れを俺の机にスッと差し出した。

「これ――」

三原に問いかけようとしたが、三原は必死に人差し指を口の前で小さく立てて、シークレットの合図。なるほど、さっき会長に呼ばれてたのは紗智のことだな。ならば、これは紗智に見つからんように内容を確認しなければ……。左手で紙切れを隠して、お腹の辺りまで移動させ、静かにめくる。

『昼休み、指定の教室に来るべし きぬ』

会長からのお呼び出しか。紗智のことで話があることは明白だな。昼休み、下のほうに書いてある指定の教室に行くとしよう。必要になると思い、紗智に見つからないようにカバンからポケットへ壊れた天使猫を忍ばせた。


「ふあ~あ……」

やっと昼休みだ。さて、どうやって抜け出すか。

「誠ちゃん、お弁当――」

「悪い、紗智。俺、今日の昼休みは教師に呼び出しくらってたの、忘れてた」

「え、じゃあ、お弁当は――」

「午後の授業にでも食うから、俺の机に放っておいてくれ」

「なら、あたしも行くよ。職員室に行くには、階段下りなきゃでしょ?」

「階段には手すりもあるから、大丈夫だって」

「でも……」

「俺のこと、信じてくれるんじゃなかったのか?」

「うん……」

「ちゃんと戻ってくるから、待っててくれ」

「わかった……気をつけてね?」

「ああ」

俺は少し足を引きずりながら、会長指定の教室に向かった。


「失礼しまーす」

「やあ、鷲宮君」

「遅いわよ」

「どうも」

「あれ? 鈴下に仲野、どうしたんだ?」

「どうしたじゃないわよ」

「私たちもきぬ先輩に呼ばれてたので」

「お待たせしました」

俺の背後から突如、三原が現れる。

「うお、三原まで!?」

「鷲宮さん、メモ受け取っていただきありがとうございます」

「いや――」

「さて、早速だが鷲宮君。なぜ、呼ばれたかはおおよそ見当がついてると思うが……」

「紗智のこと、ですね?」

「ああ」

「話は聞いたけど、どうも腑に落ちないのよね」

「私も今朝、鷲宮さんと紗智さんに会って、それは感じてました」

「鷲宮先輩はともかく――」

「紗智さんが少し異常だと感じるのだ」

どうやら、俺の想像してた通りのようだ。そりゃそうだろ。昨日のことを明確に知ってる俺ですら、今の紗智はおかしい。知らない会長たちからすれば、後は想像に難くない。

「一体、昨日の事故でなにがあった?」

「単に鷲宮先輩が怪我しただけではないように感じます」

「みんなが感じてることは大体当たってると思っていい。全ては昨日の事故が原因だ」

「少し整理したいから、一部始終を話してくれない?」

「わかった。今朝話した通り、俺と紗智は昨日、謂わばデートに出かけたんだ」

「その帰りに鷲宮さんの身に事故が起きたんですよね?」

「ああ。――事故を詳しく説明する。俺と紗智が帰宅中、ボール遊びをしてた子供がいたんだ。車道にボールが転がっていったものだから、その子は追いかけた」

「そこに車が来たんですね?」

仲野の問いに俺は頷く。

「その車は子供に気づいてなかった。俺が走り出すより先に紗智は子供を助けようと飛び出したんだ」

「紗智さんらしい判断ですね」

「1、2秒の差だが俺も遅れて走り出した。そうしなくても紗智が子供の手を引っ張って、歩道に避難出来てれば何の問題もなかったんだ」

「出来なかった理由があるのか?」

「そのときの俺も疑問に思いました。子供の手を取った後、なぜか紗智は動きを止めたんです」

「なんでそんなことになったのよ?」

「これです」

ポケットに忍ばせておいた壊れた天使猫を手のひらに広げ、全員に見せる。

「これ……紗智さんがカバンにつけてた」

「鷲宮先輩、これがなにか関係あるんですか?」

「車道に出たとき、バッグにつけてたこれが落ちたんだ。それに気を取られて、紗智は動かなかったんだ」

「はあ? なんでこんなキーホルダーなんかに――」

「鈴さん、なにが大事なものかは人によって違うんだ。そんなことを言うものじゃない」

「ごめん……」

珍しくしおらしくなる鈴下。

「話を戻そう。動けない紗智を見て、俺がすんでのところで紗智と子供を突き飛ばして、俺も間一髪その場を退くことが出来た。この捻挫はそのときのもんだ。受け身に失敗したせいでな」

「車はどうなったのですか、鷲宮先輩?」

「最後まで俺たちに気づくことなく、走り去っていったよ。よそ見でもしてたんだろ」

「危ないですね……本当に紗智さんと鷲宮さんが無事で良かったです」

「そのキーホルダーを見る限り、あんたたちは無事だったけど、それは車の下敷きになったってわけね?」

「そうだ」

「しかし、大事なものとはいえ、それが壊れたことと君への異常な心配はどう繋がる?」

「実はこれ、俺がガキの頃、紗智が両親からもらった誕生日プレゼントをなくして泣いていたときに、代わりにプレゼントであげたものなんです」

「そんな……」

「そ、それじゃ……」

「紗智先輩は……」

「なんてことだ……」

みんな気づいたようだ。これまで紗智と深く接してきて、紗智の性格を知っていれば、原因は容易に想像できる。

「つまり紗智さんは、自分がキーホルダーに気を取られたせいで鷲宮君に怪我をさせただけでなく、君からの大切な贈り物を壊してしまったと――」

「そう思っているわけですね?」

「……そうだ」

「そんなの違うじゃない!」

「鈴下……」

「そんなの紗智のせいじゃない! よそ見して運転してた奴が悪いのよ!」

「俺も紗智にそう言ったよ。でも、あいつは自分が悪いんだって、責め続けてる」

「紗智先輩は優しいですから、そう考えるのは必然かもしれません」

「紗智さんが見せる君への異常な心配は、そうすることでしか自分は罪滅ぼし出来ないと考えているのだろう」

「はい」

「彼女の優しさ故にか……」

「ですが、あのままでは紗智さんが……」

「間違いなく、精神を犯されてしまうわね……」

「正確にはもう始まっているのかも……」

「鷲宮君、軽い気持ちで聞いたつもりはないのだが、よもやここまで深刻なことだとは思わなかった。こんなことまでして、聞き出してすまない」

「いえ、こうなるのは目に見えてましたから」

「それよりも、あんた。まさか、このまま時間が解決してくれるとか思ってないでしょうね?」

「紗智先輩の心へのダメージは重大です。すぐに取り除いてあげないと……」

「解決策は一応考えている」

「その策とはなんですか?」

「これだ」

再び、手のひらの壊れた天使猫を見せる。

「これがなんだっての?」

「なるほど、いい案かもしれない」

「ちょっと、どういうことよ、きぬ?」

「今回の件は全てこのキーホルダーに原因が直結してるということだ」

「というと?」

俺と会長以外に抱かれていた疑問を仲野は口にする。

「これが落なければ自分が動きを止めずいられた。これに気を取られなければ、鷲宮君に怪我をさせることはなかった。自分が即座に判断できていれば、これを壊すことはなかった。全ての事柄にこのキーホルダーが関係しているんだよ」

「では、このキーホルダーさえなんとか出来れば――」

「だけど、時間は戻せないのよ? すでに壊れたものをどうやって――」

「同じものを用意する……」

「え……?」

「仲野の言う通りだ。俺の怪我は直に治るから、紗智もいずれは頭の片隅に置いておく程度になるだろう。でも、これは物体として壊れたという事実が残る。人間の体のように自動で修復されないからな」

「だが、どうするんだ? 修理するのか?」

「出来てるのなら、もうしてますよ」

「では、どうやって――」

「新しいのを用意するしかない」

「可能なのですか、鷲宮先輩?」

「それって天使猫よね? 何年も前に流行ったものよ? 今でもあるかどうか……」

「それでも探してみるしかない。解決策がそれしかない以上、やるしかないんだ」

「しかし、仮に新しいのが用意出来たとして、それで解決するでしょうか?」

「どういうことだ、筒六さん?」

「元々持ってた天使猫が壊れたっていう事実は消えません。新しいのを素直に受け取ってもらえるでしょうか?」

「通常なら無理かもしれない」

「その口ぶりだと、可能性があるということだな?」

「はい」

「その可能性っていうのはなんですか、鷲宮さん?」

「そもそも、なぜ紗智がこの天使猫を持っているかを思い出してくれ」

「紗智が天使猫のキーホルダーを持っている訳……?」

「……そうか、鷲宮君」

「え、なになに? なにかわかったの、きぬ?」

「繰り返し……いや再現か……」

「あ、そうか……」

「再現というよりも、これは……」

鈴下以外は全員察してくれたようだ。

「だから、なんなのよー?!」

「つまりだ、鈴下。新しい天使猫はプレセントにするんだ。誕生日のな」

「それって……」

「幼少期の事柄を現状で再現することで、紗智さんに殻を破ってもらうんだよ」

「紗智さんは過去に頭を持って行かれてしまっています」

「それを未来に向けるわけですね」

そう、これは俺と紗智の新しい一歩なんだ。この天使猫が壊れたことは、俺と紗智に未来へ足を向けろというメッセージなのかもしれない。なんとしてでも、俺はこれをやりとげなければならない。そうしなければ、俺は紗智の気持ちに甘えたままなんだ。そうしなければ、紗智は俺のことをちゃんと見てくれないんだ。俺と紗智。2人のために絶対にやってやる。

「それでこれが手に入る可能性はあるのだろうな?」

「一応、宛はあります。とにかく、俺はやれることはなんでもやるつもりです」

「もし、なにかあればすぐに私たちの元へ来てくれ。今回の件はなにがなんでも成功させねばならんからな」

「微力ながら、鷲宮さんに加勢いたします」

「ま、わたしが手伝えば百人力よ」

「今回は真面目に手伝うつもりです」

「みんな……本当にありがとう」

紗智……俺たちって幸せ者だ。こんなにも想ってくれる人たちがいるんだから。その想いを無駄にしないためにも、俺頑張るからな。

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