第2話 五月雨 沙津希

外を見ると雲がかかり雨が降り出した。

夢「あ、雨だ...」

翔「おかしいな、今日は1日晴れの予報だったのに」

夢「外れることくらいあるわよ」

そう言って夢と翔は2階の廊下をゆっくりゆっくり歩いた。

歩く度に鳴る靴音と外からの風と雨音...

雨音は2人が歩く度に強くなり、止む気配はこれっぽっちもない。

夢「雨...ひどいね」

翔「あぁ...さすがに降りすぎじゃねぇか?」

夢「やっぱりそう思う...?怖くなってきたよ...」

夢がふと後ろを振り向くと、小さな白い明かりが見えた。

夢は翔の服の裾を勢いよく掴み

夢「ね、ねぇ!!あ、あれ!!」

翔「ん?えっ...あれ、霊とかじゃねぇよな」

小さな白い光は徐々に夢たちの方へと近づいてくる...

「ん...?夢と翔じゃねぇか」

夢「あ、あなたは...!」

翔「沙津希さん!」

沙「なんだよーお前達も来てたのか!メールで知らせらよなー!」

夢「ここ来た時にはもう圏外で...」

沙「そうだったのか!実は私もなんだよなー怪しげなメールでここに来て半分苛立ってんだよー」

この人は、1個うえの先輩 五月雨 沙津希先輩。

天真爛漫でとても明るい人、人や物への好き嫌いがなくて、分け隔てなく人と接することが出来る私にとっては神のような存在。

あ、ちなみに翔が沙津希先輩のことを「さん」で呼ぶのは、小学校と中学校が同じだったからだよ!

沙「マジ何なんだよー」

夢「気になりますよね...誰がこんなイタズラを...」

翔「それを考える前に磨希たちを早く探そう!何か嫌な予感がする...」

夢「う、うん!」

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