紅の学び舎

むとゅむとゅ

第1話 愛した学び舎

伝統あるA高校に忍び込んだ夢は、早速ケータイの明かりを頼りに校内を回り始めた。

夢「懐かしいな...こんな感じだったね」

独り言も響き渡り、その響き渡る声に少し怯えソロソロと歩き進む。

仲間がいそうな教室に行ってみることにした夢は階段を上る。すると...うっすら明かりが見えた。

夢「誰...もしかして後輩...?」

恐る恐る近づいてみると...

「あ、夢じゃん!」

夢「翔(かける)!」

海風(みふ)翔(かける)。高校時代の同級生。

3年間同じクラスで、話が結構合うため仲は良かった。

翔「何やってんだよー」

夢「翔こそ...」

翔「俺は、知らない奴から助けてくれってメールをもらってここに来たんだよ」

夢「えっ...翔も??」

翔「俺もって...夢もそうなのか?」

夢「うん...最初は迷惑メールだと思ってたんだけど...」

翔「そっか...」

夢「な、何よ...そんな神妙な顔して」

翔「ここに来てるのは俺たちだけじゃないのは分かってるよな?」

夢「もちろん...」

翔「...磨希や沙津希さんも来てる」

夢「嘘...でしょ...」

翔「2人だけじゃない、俺の兄貴も来てる」

夢「源人先輩も...」

気が遠くなりそうになった...こんなに私の知っている人たちがここに迷い込んでいるなんて...一体これは誰の仕業なの...?

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