2017年10月まとめ
夏の風が吹き荒ぶ中、桜の花が散っていた
ぽつりぽつりと降る雨は恨み言だけ雪いでく
眼鏡越しに覗いた景色に無駄な色彩
されどされどこれが無くてはアレが見えぬのだ
狂い始めた貴女は今日も、私の舌から血を舐める
息つく暇もないほどに
愛していると言ったその口で、そのようなことをしないでくださいませ
虹色のわたしが殺した貴方
何もかもがメッセージ
千切られた蝋燭の芯を燃やし尽くせ
絞れや虹彩
透明人間はまだ見たくない
右眼で覗くは世界のひずみ
右手で除くは世界のゆがみ
不正な歪みは正しましょう
矛盾確率
不正同定
夕暮れに見えた明けの明星は、
明け方に見た宵の明星とは別物だった
アンノウン
悪魔の少女はサイダーに酔う
そろそろ今日のわたしを殺して眠りにつきましょう
じゃなきゃ明日のわたしが生きられない
愛していますと彼女は言った
雀がさえずる刻のこと
希望はあるかと誰かが言った
時には千里の先からも
逆さの剣は刃を握れ
逆さの剣は柄を突き立てろ
納める鞘なぞ何処かに捨てた
代わりに拾った貝殻は何処
牙から中身まで鱗でできた蛇の末路
一先ず焼かれて食われはすまい
眼鏡越しの鏡越しの水面越しに目があった
会釈をしたら掻き消えた
気がついたら死んでいたのは合わせ鏡の参番目
瞳越しの惨劇でした
アンドゥアンドゥ
壱弐数えて、参の手前で取り消した
銃声と爆音と悲鳴から成る子守唄
いやに娘は気に入った
そう語る母の子はわたしだけ
覚えが無い
恋人の首を絞めたままドアノブを廻した
オルゴールは37周目で止まった
そろそろ生き還る頃合いだ
せんべい囓って聞き流したら
記憶の隙間で音がした
括弧書きの注意書きはそれ果たして重要なの?
そう思ったヤツから死んでいく
別に注意書き関係なしに
時計を食べたその日から
体内時計がずっと36時108分で止まってる
みみみみみ
みみみみみみみ
みみみみみ
松尾芭蕉もそう詠んだに違いない
耳鳴りが聴こえる
「みみなり」って鳴るのはどうかと思う
せめて「きくらげ」ならまだしも
キスで目覚めたお姫様
林檎がないと寝付けない
見つからないまま四半世紀
もうそろそろ死んでしまいそうなガラス瓶
中身はきっと赤子の血
目隠ししたのはどちら様
まるで何にも見えないけれど、手なら自由に動きます
目隠ししたのはどちら様
振り解くのは容易いけれど、わたしは笑って尋ねます
目隠ししたのはどちら様
本当は分かっているのだけれど、ちょっぴりアナタと戯れたくて
枷など無くても逃げ出しません
それよりアナタを抱き締めさせて
轡をせずとも叫びません
それよりわたしとお話しましょ
愛など無くても構いません
そんなこと、口が裂けても言えません
ゆらりゆらりと揺れていた
本当のわたしは影法師
本当のわたしはどこにもないの
ゆらりゆらりと泣いていた
ゆらりゆらりと凪いでいた
右手で紡ぐはヒトリゴト
左手繋いでフタリキリ
勝手に死ぬな
わたしに殺されろ
わたしに殺されて
積み木のお城のお姫様
いつも道に迷ってばかり
多分わたしは愚かだったのだろう
それに気づいたのは全てが終わったあとだった
だったらいっそのこと気づきたくなかった
そう未来のわたしがお願いしたのがこの結末だ
愚かにも過去のわたしは蛇を縛った
裏切り者で構わない
秘密を抱えていても仕方がない
けれどもどうか
メメント・モリをいつまでも
あの子はただの少女だった
それをバケモノにしたのはわたしたちだ
だから責任を持って彼女を殺します
それがわたしたちにできる償いの仕方だから
見つめ合ったが運の尽き
瞳同士の合わせ鏡の呪いが生じ
気づいたときには雁字搦めの蜘蛛の糸
夢見る死人
壊れた心臓
ゼンマイ仕掛けのコンピューター
2000年に壊れちゃった
喰らい死すには毒が足りない
クライシスには毒が余った
ミミズ腫れを餌に魚釣り
大漁すぎて増えるミミズ腫れ
此度は道連れ、余は情けなく思うた
丑三つ、現世、泡沫に消えゆ
彼は誰、隠世、神隠しの子
甘い蜜の味した涙
こっそり舐めたら虫歯になった
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