2016年8月~10月まとめ
※9月はNoポエムでした。
2016年8月
今年も祭囃子が鳴り響く
夜道に浮かぶその明かりを遠くから眺めていると、まるでそこだけが異世界のように思えた
僕だけがこの世界に取り残されているような錯覚
なんだか足の裏がむず痒くて、僕は堪らず駆け出した
今年も僕は祭囃子の中にいる
暗い闇落つ黒い夜
彼方からの声に誘われたわたしは蠢くもの
わたしを呼んだのはだぁれ?
信じるべき主を失った人形はあてもなく、ただただくるくる廻る
真実と虚構の狭間で彼は何を願うのだろうか 雨よ、どうか止んでおくれ
世界を明るく照らす光は僕の眠りを妨げる
僕は眠れない
僕は眠らない
誰か明かりを消しておくれと、か細い声で囁くの
誰にも聞こえないか細い声で
そして僕は今宵も黒い匣へと閉じこもる
世界よ、光よ、おやすみなさい
十番目の席に座るのは誰だ
指折り数えて最後のひとつ
私は眠って待っている
誰かが座ったその時に、私はようやく目覚めるでしょう
ひとりぼっちの夜にさようなら
ふたりっきりの夜にはじめまして
ようやく僕は星空を仰ぐことができたよ
10月
死神は峠を超えた
迫る暗闇は私を優しく包み込む
刹那に消える想いはなく、
幻だけが響いてた
白い竜は嗤う
己の愚かさを知る由もなく、黒い鱗を剥いでいく
黒い扉の鍵は白く、歪さだけが歪んでた
霞はかき消え、世界はまたひとつ終わりを迎えた
ぼくの身体も潰れて新たな世界となった
踊れ胎児よ月夜の下で
慈しみなら置いて行け
叫べ叫べと主が叫ぶ
気づいたときには屍が並ぶ
何もかも遅すぎたんだ
嫌いな貴方に最期の言葉
どうか聞かずに立ち去って
やはり貴方は気に食わないわ
吐き出しても吐き出しても答えが見つからない
応え方が分からない
もう僕は堪えてしまいそうだ
嘘つきうさぎは千切れて死んだ
詐欺師の狐は焼かれて死んだ
ほら吹きイタチは沈んで死んだ
甘い甘いお菓子をあげる
一口で飲み込んでね
代わりにアレをちょうだい
いびつに歪んだカレイドスコープから綺麗なビーズが零れ落ちた
覗いたときに見えるのはあの時のキミの涙だけになってしまった
わんわん声を上げて泣けたらどれだけ楽だったんだろうか
どうしようもなく僕は轡を噛み締めた
お腹のファスナーを開いて内蔵を取り出した
綺麗に洗わなきゃ、いけない、から
黒くて暗くて甘い味
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