2016年7月まとめ
夏が自らの熱で焦げる匂いがする
生木を焼いたようなその香りは夏の暑さを助長しているように思えた
こんな日はあの事件を思い出す
僕が死に至ったあの惨劇を
全ての嘘を凌駕して、今からあなたに逢いに行く
鴉の心臓破り捨て、黒猫の尾を引き千切る
三つ数えて刻は満たせり
右手に愛を、左手には悲哀を
嘘つきは消えた
不吉は錯覚だった
暇はもう無い
あとは手を合わせて祈るだけ
あなたの首筋に痕が残るほど強く強く爪を立てて、そうして囁くの
わたしの愛を囁くの
ねえ、ねえねえ
どうしてあなたは怯えているのかしら
怖がらなくてもいいのよ
わたしと同じになるだけなのだから
最後の2人になるまで踊りましょう
ガラスの靴を砕いて、血に塗れた姫は幸せかしら
次の刹那に世界は終わる
眠れない少女の理不尽な八つ当たり
砕けてしまいそうな私を、誰か優しく助けてください
誰かとは言うが、誰でも良いわけではない
世の中大抵そんなもの
羅刹下して鬼となれ
眠れぬ姫とて死ねば寝れよう
竜の背中の鱗を剥いだ
そしたら竜は消え失せた
僕は天から地へと落ちる
右手に握った鱗は手放さなかった
暗い夜道で一人きり
うるさい影が騒いでた
月夜の道で一人きり
静かに影が死んでいた
空に浮かぶ紛い物の月を砕け
アレはあってはならぬ呪いの類だ
──酔っ払った神官の戯言
世界は逆さに廻り出す
くるくる廻れ
廻って廻って灰になれ
廻って廻って灰を散らせ
そうして新しい朝を迎えましょう
記号の羅列は世界の仕組み
ここから始まる夢物語
右手に祈りを、左手には救いを
けれども言葉は冷酷に
言葉はすなわち記号の羅列
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます