2016年4月~5月まとめ

2016年4月


全部砕いて虚ろになれ

世界の理は彼が知る

全部弾けて空ろになれ

輪廻の巡りは誰が知る

いない、いない、いない、いない

私はここにいないから

どうかその手を伸ばさないで


夢見て踊れ

まだまだ踊れ

世界が優しいことを信じて踊れ

嘆いて躍れ

それでも躍れ

何もかもを疑いながら躍れ

あなたはわたしに何をしてくれるの

わたしはあなたに何をしてあげられるの

分からないけどただただオドル


どの私ならあなたを救えるの?


鬼は鬼とて心あり

良心傷まぬ訳がなし

さりとてその良心、基準は一体どこにある

くどい味付け吐気がするわ


雁首揃えて並んだら

それでは仲良く鏖


左手は握り締めた

もう決して放さないように

左胸は高鳴り出した

君の手に触れたから

両目は瞑った

そして右手で数え出す


白くて何にも見えないよ

黒くて何にも聞こえない

赤くて何にも匂わない

青くて何にも触れない

味がしないのは何色か?

分からないよ。白くて何にも見えないもん

矛盾は全部飲み込んで 飲み込んじゃえば味なんて関係ない

味がしなくても関係ない


こんな未来じゃ世界は何も変わらない

こんな世界じゃ未来は何も変わらない

過去に手を伸ばせ

過去に目を向けろ

そこに全ての鍵がある

伏線は最初から張られている

布石は既に打ってある

真実を思い出せ

最後に連なる物語は始まりへと返る

あの過去ならば世界を、未来を変えられる


何もかもが幻想で、見える全てが妄想だ

真相は見えずして、厄相だけが浮かんでる

騒々しい想像の創造はもう終わったはずなのに

砕け散れ

砕き散らせ

そうだ、そうだ

そうだったのだ

気づいたときには爽快感に満ちていた



5月


今の私は穴だらけ

空っぽだから宙に浮く

過去の私はヒビだらけ

水が染み入り沈んでく

未来の私はどうだろう

そこに果たして答えはあるか

未来は今に、今は過去に

過去だけが不変である

不変こそが絶対で、絶対は絶対ではない

今の私は傷だらけ


気がつくと私は暗い森の中で一人立っていた。右手には角灯がぶら下がっており、それ以外の明かりは何もない。空を見上げたところで星明かりさえ見えなかった。ただ、何故か北極星だけが見えた気がした。


黒い鴉が騒めくの

あいつは誰だ、って


無機物に生命は宿らない

そう言った彼こそが無機物なのだから私は笑ってしまった

かくいう私はというと……


黒い鴉が蠢くの

今すぐ逃げろ、って


あの日の悪夢はまだ続いている

ちらちらとあいつの影が見え隠れする

惨劇は終わっていない 悲劇は止まることを知らない

それでも僕は、 前に進むしかないんだ


痛くて痛くて死んじゃいそうで

でもどうしてか死ねなくて

だから死にたいって叫んでる

だから殺してって喚いてる

どうか誰か私の願いを聞いてちょうだい

お代は後払いで抱擁を


こんな世界をどうしてくれようか

空はこんなに白々しい

大地はあんなに禍々しい

海はそんなに酷くはないけど、それでもやっぱり荒々しい

私がどんなに叫んでみても、こんな世界はどうしようもない


ここから始まる夢物語

かつての悪夢は未来の現実

それすら乗り越えられぬなら、あなたにこの場は任せられない

さあ刻もう 時代と、事実と、邪魔者を


やがて消え行く命の残滓

それをゆっくり掬い上げ、あなたのために捧げましょう

どうかそのまま飲み込んで、あなたの糧と致しましょう

暗い視界は晴れずとも、道標をば見つけたら

静かな旅路をどうか二人で歩きましょう


翼は黒鉄、羽根は銀

爪は青銅、瞳は金

歪な鴉は泣いていた

空を飛べぬと泣いていた

飛ぶ必要もないのだけれど


三ツ角曲がった帰り道

白い童が手を引いた

こっちへおいでと笑ってた

赤い夕陽に照らされた白い童に影はなし

それに気づけば童の影も形もなし


ご都合主義お待ちしております

どうか私めに慈悲を


過程と結論はぶん投げるもの

原因はぶん殴るもの


セカイとのズレはなおせない

それは怪我でも病気でも故障でもないのだから

セカイとのズレはなおせない


閉じた世界は幸せだから、私はずっと匣のなか

匣の持ち主は私を連れて、開けた世界で旅をする

けれども私は匣のなか

封はされていない

鍵は掛かっていない

けれども私は匣のなか

閉じた世界が幸せだから


カオスに揺られて沈んで堕ちろ

泥舟は常に壊れない

何故なら既に壊れてる

カオスに呑まれて砕けて歪め


今日も僕の身体はいつも通り、それが正常なのだと言わんばかりに異常値を出していた。口ではもう慣れっこだなんて言ってはいるけど、心の中ではどうして僕だけがと泣いている。左眼は血のように紅く染まり、右眼からは絶えず白い靄が漏れ出して視界を遮っている。これが呪いだと気づくのは少し後の話。

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