第296話 赤のビャハⅧ
「ビャハハハッ!! つべこべ言ってねぇでさっさと来いよこの野郎ォォォッ!!!!」
「加速せよ!《疾駆ノ斬撃》!」
ガタクの放った斬撃は風の大顎が起こした突風に乗り加速、瞬く間にビャハの懐に入り込む。
ビャハは大顎で迎撃しようとするが、斬撃の速さに反応出来ず前胸部に亀裂が入る。
「ビャハァァッ!? いっつぅ~……今のはかなり効いたぜぇ……!」
「まだまだ終わらんで御座るぞ! 《土石風》!」
ガタクは空に飛び、風の大顎で風を操り瓦礫を気流に取り込み、それをビャハに向けて飛ばす!
「ビャハハハハハハハハ!! いいね! そうこなくっちゃ面白くねぇ! ビャハハハッッ!!」
ビャハは飛んでくる瓦礫を大顎を振り次々と砕いていく!
「ビャハハハハハハハハハハハハハァッ!! まだまだこんなもんじゃ満足出来ねぇ……もっと本気で来てくれよォォ!!」
「《大鎌鼬》!!」
ガタクの周囲に無数の鎌鼬が出現する。
「ビャハッハッ! またさっきの竜巻かぁ? 芸が無ぇなぁ!」
「否、これは千刃竜巻にあらず……一つとなれ、鎌鼬達よ!」
ガタクの言葉に呼応し周囲の鎌鼬が付き次と合体していき、やがて一つの巨大な鎌鼬となった!
「おおおおおっ!? 良いねぇぞくぞくするぜぇ!」
「全てを切り裂け!《風神鼬》ッ!!」
巨大鎌鼬がビャハに向かって放たれるが、ビャハは避ける素振りすらせず、むしろ嬉しそうに笑っている。
「ビャハハハハハハハハッッ! こりゃあまともに喰らったら流石の俺でもヤバイかも知れねえ! だからあえて避けずに真っ向から受け、打ち破った時の快感は最高だろうなぁぁぁぁっ!!」
ビャハの大顎に禍々しい妖気を発せられると同時に、より鋭く、刺々しい形に巨大化していく!
「いくゼェェッ! 《殺戮の大顎》ォォォォッ!」
そのままビャハは混沌の大顎で風神鼬を挟み止めた!
「ビャハハハハハハハハ!! 凄ぇ力だ……ちょっとでも気を抜きゃあ身体が真っ二つになるなぁ! だがそのスリルがまたたまらねぇェェェェェッ!」
ビャハは狂気に満ちた笑い声を上げながら殺戮の大顎で風神鼬を両断し、そのままガタクへ襲い掛かる!
「《疾駆ノ斬撃》!」
「甘ェェッ!!」
ガタクは疾駆ノ斬撃を再び放つが、ビャハはガタクの動きを見切って回避する。
「ビャハハ! そいつは一度喰らって撃つタイミングは分かってんだよ!」
「っ! ならば!」
ガタクは風で土煙を起こしビャハの視界を遮る。
「ビャハハハハハ! 煙越しからの攻撃かぁ? それともさっきみたいに風の分身を囮にして攻撃しようとしてんのかぁ?」
「《風分身》、《土石風》、《疾駆ノ斬撃》、《風神鼬》ィィ!!」
四方八方からビャハ目掛けてほぼ同時ににガタクの攻撃が繰り出される!
「両方ときたかぁ! だけどそんなもんじゃ俺を満足させられないぜぇぇぇぇっ! 《殺戮の棘》ェェェッ!!」
ビャハの殺戮の大顎に無数の鋭い棘が生えると同時に、四方八方へ棘が撃ち出された!
「ビャハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
殺戮の棘は風分身を掻き消し、飛んでくる瓦礫を破壊し、斬撃を掻き消し、風神鼬さえも破壊した!
そしてそのまま周囲の土煙に無差別に攻撃し続ける!
「《大鎌鼬》!」
ガタクは土煙の中で大鎌鼬を撃ち殺戮の棘を迎撃、更に気流を操り棘の進路を逸らし直撃を何とか防いでいた。
「ビャハハハハハハハ!! 中々粘るじゃねぇか! だが何時まで持つかなぁ?」
ガタクは土煙の中で大鎌鼬を撃ち殺戮の棘を迎撃し何とか防いでいた。
「ビャハハハハハハハ!! 中々粘るじゃねぇか! だが何時まで持つかなぁ?」
(くっ……! このままではジリ貧で御座る……! ならば一気に!)
無尽蔵が如く降り注ぐ殺戮の棘に対しガタク風の大顎で気流を読み、僅かな隙間を縫うように潜り抜けていく!
棘が掠り傷を負って行くが構わず突き進むガタク。
「うおぉぉぉぉぉぉッ!!」
「ビャハハハハハハッ! 殺戮の棘を潜り抜けて来るかぁっ! 良いねぇ、そうでなくちゃなぁぁぁぁっ!」
殺戮の棘の雨を突破し、ビャハの眼前に躍り出た瞬間、ガタクは風を操り自らの身体を超高速回転させながら突撃する!
「《烈風螺旋独楽(れっぷうらせんごま)》ァァァッ!」
「ビャハハァァッ!! 面白ぇぇぇッ!」
ビャハは殺戮の大顎でガタクの烈風螺旋独楽を受け止めた!
「ビャハハァァッ!! 良いぜ良いぜ良いぜぇぇぇぇぇッ!!」
「ハァァァァァァァッッッ!!」
ガタクは更に力を込め、回転速度を上げて行く!
「ビャハハハッ! ビャハハハハハハハハハハハァァッッッ!! 本当に楽しませてくれるなテメェはよォォォォォォォッ!!」
ビャハはガタクごと大顎を上げ、そのまま地面に叩き付けた!
「ぐああああぁぁぁぁぁぁっ!?」
ガタクは地面に衝突し、その勢いで跳ね上がり、空中に投げ出されてしまう。
「ビャハッハッハッ!! 隙だらけだぜぇえ!!」
ビャハは空を飛び、ガタクに追撃を仕掛ける!
「ぐっ……!?」
ビャハの大顎がさらに禍々しい形に変形、巨大化し、限界まで大きく開き漆黒の妖気が纏われる。
その様はまるで全てを呑み込まんとする怪物の大口のようだった。
「喰らい尽くせェェェッ! 《殲滅ノ大顎》ォォォァァァァッッ!!!
禍々しい輝きを放つ大顎が、ガタクに迫る!
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