第160話 目覚めし者Ⅲ
鳥の形の炎は徐々に大きくなり続け、10メートル程の大きさになった瞬間炎が消え始め、中から真紅の羽の巨鳥が姿を現した。
その姿は鷲に酷似していた。
「本来の姿に戻ったか」
「魔鳥王、フェネクス……」
(フェネがまおうー?)
「おお……火の神……」
「我らが神がご降臨なされた……」
後ろにいつの間にかウモウ達も居て、魔鳥王を見て平伏していた。
私は魔鳥王に鑑定を使い、ステータスを確認する。
ステータス
名前:フェネクス
種族:フェニックス
レベル:500/500
ランク:S
称号:魔鳥王、鳥の召喚士、過去と未来を視る者
属性:鳥
エクストラスキル:念力、魔鳥の羽毛、魔鳥の爪、火属性耐性Ex
ユニークスキル:鳥召喚、魔鳥の鳳翼、輪廻転生
やはりフェニックス、死んでも蘇ることで永遠の時を生きるといわれる伝説の鳥だ。
だがしかし何故少女の姿をしていたんだ?
魔海王のように人間に化けるスキルを持っているわけでもないし……どういう事なんだ?
私が考えていると、魔鳥王は下を向き、ビャハ達を見る。
「ギ、ギチチチィ……」
「ギチュチュチュチュ……」
ウデムシとヒヨケムシが気圧されて後ろに後ずさる。
「ビャハハハ、ブロストの水晶の反応が消えたのはまだ半覚醒状態だったからか……だがこのタイミングで目覚めるとはなぁ……」
ビャハが槍を構え直して警戒する中、魔鳥王の瞳が再び赤く輝いた!
「!? こ、こいつは……!」
「ギチ、ギチチィィィ!?」
「ギチュチュチュ!?」
すると突然ビャハ達の身体が浮き上がり始めたのだ。
これはおそらく、念力というスキルだろう。
「ジィィィィィィィィィィィ!!」
私達が魔鳥王に気を取られていると、背後からオ・ケラが襲いかかって来た!
私は振り返って迎撃しようと身構えると、突如オ・ケラが空中で固まったのだ。
「じ、ジィィィィィ……」
私は魔鳥王を見ると、魔鳥王がこちらを向きオ・ケラを睨んでいた。
そのままオ・ケラはビャハ達の元へと移動させられる。
そして魔鳥王が翼を大きく羽ばたかせ突風を起こし、ビャハ達を空高く吹き飛ばした!
「ギチチチィィィィィィ!?」
「ギチュチュチュチュッッ!?」
「ビャハハハハハハハハハハ!! ここまでかぁ! もっと楽しみたかったが仕方ねぇ、また会おうぜぇ!ビャハハハハハハハハハハハハハハハ………」
ビャハは愉快そうに高笑いを上げながら、遥か遠くへと吹き飛んで行った。
「ジィィィィィィィィィィィ!?」
オ・ケラも吹き飛ばされるが、吹き飛んで行く先に亀裂が入り、オ・ケラは亀裂の中に消えていった。
「ビャハ達が一瞬で……」
(フェネ、すごーい!)
(あいつ、凄い奴だったんすね……)
「当然じゃろう、あの程度出来ぬようでは六大魔王とは言えんからのう、おーい魔鳥王ー! 聞こえとるかー!」
ミミズさんが魔鳥王に話しかけるが、魔鳥王は反応しない。
「む? おい魔鳥王! 聞いとるのかー!? おい焼き鳥野郎! この焼き鳥野郎ー!」
「……」
ミミズさんが暴言を吐くが、やはりなにも反応しない。
「なんじゃあ奴、この儂がここまで呼んどるのに無視するとは!」
「……ひょっとして、まだ目覚めたばかりで寝ぼけてるんじゃないのかな」
「何?」
寝起きって頭がボーッとして頭が回らないからな……恐らく魔鳥王は無意識にビャハ達を追い払ったんだろう。
(フェネ……)
「スティンガー!? 何を……」
スティンガーが魔鳥王の元に走って行く。
(フェネー! ぼくだよ、スティンガーだよー!)
スティンガーが叫ぶと、魔鳥王が反応を見せた。
(フェネ、わかる? ぼくだよー!)
「……ス、ティン、ガー……?」
(そうだよー! ともだちのスティンガーだよー!)
「トモ……ダチ……トモダチ……ウゥッ……!」
空を飛んでいた魔鳥王が地面に落下、全身が炎に包まれた後、小さくなっていき、火が消えると少女の姿に変わっていた。
(フェネー!)
スティンガーが少女の姿に変わった魔鳥王の元に駆けよる。
「どうやら意識を失ってしまったようじゃのう」
「うん、とりあえず危機は去ったね……」
しかしまだ油断してはいけない、ブロストの奴が何処かにいるかも……注意しないとな……
周囲を警戒しつつ、私達は倒れた魔鳥王を運びながら、廃墟へと移動を開始した。
「第84回次回予告の道ー!」
「と言うわけで、今回も始まったこのコーナー!」
「魔鳥王の登場であっという間に終わったビャハ達との戦い」
「うむ、さすがは魔鳥王と言ったところじゃのう」
「そして次回は完全に覚醒した魔鳥王との対話だね」
「うむ、次回で多くの事が明かされる事になるかもしれんのう……楽しみにするのじゃぞ!」
「では次回『魔鳥王』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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