第137話 暗躍する者達Ⅴ

―マモン森林、廃城、円卓の間。














「―よもや、偽物も見抜けぬとはな……」


そう言ってギリエルは手に持っていた白く光る石を握り潰した!


「も、申し訳ありませんギリエル様……このゼキア、一生の不覚……!」


ゼキアはギリエルに対し土下座をしていた。


「ビャハハハハハハハハハハ!! あのゼキアが土下座してやがる! こんなの二度と見られねぇかもしれねぇなぁ!」

「確かにその通りですねぇ……ふふふふふふ……」


ビャハとブロストが土下座をするゼキアを見て笑っていると、ディオスが二人に対して激怒した。


「止めぬかお前達! 同胞が土下座しているのを見て何故笑えるのだ!?」

「ビャハハハ! 何言ってんだよディオスぅ? ゼキアは任務を果たす事が出来なかったザハクと同じ負け犬だぜ? しかも手に入れた石は偽物だった、そんな負け犬を笑って何が悪いんだぁ?」

「貴様ぁ! 亡きザハクの事すらも侮辱するか! もう我慢ならん、今ここで貴様を斬る!」

「ビャハハハハハ! 面白れぇじゃねぇか、やれるもんならやってみろよぉ!」

「お前達、無駄な争いは止めろ!!」



一触即発の空気の中、ギリエルが二人を一喝した!


「も、申し訳ありませんギリエル様……」

「ビャハハ……」


ビャハとディオスは椅子に座る。


「面白い空気だったんですけどねぇ……」


ブロストは小声で残念そうに呟いた。


「ゼキアよ、今回の失敗は許そう、だがしかし次は無いと思え」

「寛大な処置、ありがとうございます!」

「うむ、お前には別の任務を与える」

「ははっ! このゼキア、この命に代えて必ずや任務を完遂します!」

「ディオス、ランド大樹海の調査はどうなっている?」

「はい、何かを掴んだらしく、しばらくあの大樹海にて調査を続けさせています」

「そうか、では情報が確定し次第、報告せよ」

「分かりました!」

「しかしまた奴らに邪魔をされるとはな……」

「ビャハハハハハ、ギリエル様、これで例の従魔使いは一つ、そしてレイド大雪原の件も考えれば二つの石を所持している可能性がありますね」

「うむ……このままでは計画を修正しなければならぬ可能性がある……ビャハ、先の作戦の成果はどうなっている?」

「はい、あの国の王様最初は渋ってたんですが、優し~く聞いてやったら答えてくれましたよぉ……ビャハハハハハ!」

「ふふふふ、貴方のいつものやり方ですか」

「……相変わらず悪趣味な……」


言葉の意味を察し、ディオスは嫌悪感を露わにした。


「よくやった、して奴の居場所は?」

「バラス砂漠と言っていました、もっと聞き出そうとしたんですけど……やり過ぎちまったみたいでそのまま寝ちまったんですよねぇ……ビャハハハハハ!」

「まぁ良い、ビャハ、ブロスト、ディオス! お前達三人でバラス砂漠へと向かえ」

「我ら三人でですか!?」

「ビャハハハハハ、ギリエル様はそれほど今回のゼキアの失敗を重く見てるんだよ」

「ビャハ、ディオス、お前達に宝珠を授ける、そして何としても手に入れてくるのだ! 《総ては我らが主、魔人王様のために》」


「「「「《総ては我らが主、魔人王様のために》」」」」
















「ふふふふふふふ……」


ブロストは自らの研究室でとても愉快そうに笑っていた。


「4つ目の石を彼らが手に入れたのは予想と違いましたが、あの火山での実験は大成功! 完全に操れなかったとはいえ十分な結果ですよぉ!」


ブロストは研究台に置かれている、真っ二つになっているクモ型魔道具を見てほくそ笑んだ。


「これで大型の魔物を支配下に置き、操作する事も可能になる……そして……」


ブロストは巨大な容器を見る。


「今度の作戦では間違いなく彼らがやって来るでしょうし、やっと貴方の出番ですよ……ふふふふふ………」


ブロストは肩を震わして笑う。


「あと少しだ……あと少しで私の大願が成就する……! ハハハハハハハハハハハハハ!!」


ブロストが高らかに笑う中、容器内の生物の眼が赤く光った。



















「第77回次回予告の道ー!」

「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」

「魔人族の奴らは相変わらず何が目的なのか分からなかったね……」

「うむ……それにブロストが言っていた大願とは一体何なのじゃ……?」

「さて、それはともかくいつも通り次回予告を始めるよ」

「次回は遂に儂らはバラス砂漠へと向かうのじゃ! そこでの新たなる出会い、魔人族の暗躍……果たして今回の旅の行く末はどうなってしまうのか!?」

「では次回、『不死鳥伝説を追え』!」

『それでは、次回をお楽しみに!!』


・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

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