第130話 カブトvsニセハナマオウカマキリⅢ

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「クハハハハハハハハハハッ! その技、以前よりも格段に威力を増しているな! ……だが、まだ我の暴風の鎌には及ばぬようだなぁっ!!」

「ぐああぁっ!?」


東の森王の暴風の鎌に押し負け、私は後方に吹き飛ばされた!


「くそっ! 《斬撃》!」


私はすぐさま態勢を整え、東の森王目掛けて炎の斬撃を撃ち出した!


「ほう、貴様も斬撃を習得していたか! ならばこちらも、《斬撃》!」


東の森王が炎の斬撃目掛けて、風の斬撃を撃ち出した!


奴も炎の斬撃と同じことが出来るのか……だけどこれならどうだ!


「《操炎》!」


炎の斬撃が無数に分裂し、風の斬撃を回避する。


「何っ!?」


私はこちらに飛んできた風の斬撃を回避、そして分裂した炎の斬撃はそのまま東の森王目掛けて飛んで行く!


「甘いぞヤタイズナ!!」


東の森王が右の暴風の鎌を振る!


すると突風が発生し、炎の斬撃をかき消した!


「くっ……!」

「クハハハハハハハハッ! 面白い技を習得しているではないか! だがこの技を防ぎきれるかな? 《大鎌鼬》!」


東の森王の周囲に無数の巨大な風の刃が出現し、そのまま私目掛けて飛んで来る!


「《斬撃》、《操炎》!」


私は再び炎の斬撃を分裂させ、大鎌鼬を打ち消そうとするが、全てを相殺できず、二、三個の大鎌鼬が私目掛けて向かって来る!


「ちぃっ! 《斬撃》……」

「《暴風》!」

「ぐはぁっ!?」


すぐに斬撃を繰り出そうとした時、上から突風が吹き、地面に押さえつけられてしまった。


大鎌鼬が私に迫る!


「《炎の角・鎧》!」


私は炎の角・鎧で全身を炎で覆い、大鎌鼬を防いだ!


「痛ぅっ……!」


しかし東の森王の大鎌鼬は、炎の角・鎧を貫通し、前羽に傷が出来た。


シルバードラゴンフライの大鎌鼬とは威力が全然違う……流石だ。


「クハハハハハ! 暴風で動きを止められていたにもかかわらず大鎌鼬を防ぐとはな! やはりお前は良い! さぁもっと我を楽しませろ、ヤタイズナ!! 《暴風の鎌》!」


東の森王が私に向かって突進し、右の鎌を振り下ろす!


「シャアアッ!」

「《炎の角・槍》!」


私は炎の角・槍で暴風の鎌を受け止めた!


「ふん……ぬぁあああああああああ!」

「何ィッ!?」


私は東の森王の突進の勢いを利用し、東の森王を投げ飛ばした!


「ぐはあぁぁぁぁぁぁぁ!?」


東の森王は地面に叩き付けられ、倒れ込んだ。


「よし、チャンスだ! 喰らえぇぇぇぇぇっ!」


私は倒れている東の森王目掛けて突進する!


「……《暴風》!」

「ぐぅぅっ!?」


私は突風に吹き飛ばされるが、翅を広げ態勢を整え、地面に着地した。


くそっ……折角のチャンスを逃してしまった……


「……クハハハハハ、クハハハハハハハハハハハ!!」


東の森王は高笑いを上げながら起き上がり、私を見た。


「以前に我の胸に風穴を開けただけではなく、今度は我を投げ飛ばすとは! 素晴らしい! 素晴らしいぞヤタイズナ!! お前を我が新たなる強敵として認めるぞ!」


東の森王が鎌で私を指差し、そう宣言した。


「もうお前の力を試すのを止める……ここからが本当の戦いだ!」

「……っ!」


なんて気迫だ……さっきまでとは別物だ!


私は身構え、東の森王の動きを警戒する。


「行くぞ……《暴風》!」


私の足元から、突風が起きた!


「何ぃっ!?」


私は突風に吹き上げられ、宙に浮いた。


「《暴風》」

「うおおおっ!?」


今度は後ろから突風が吹き、私は東の森王の元へと飛んで行く!


「《暴風の鎌》!」


東の森王が暴風の鎌で私を攻撃する!


「《炎の角》!」


私は炎の角で暴風の鎌を防ぎ、その衝撃で後方に吹き飛ぶ。


「《暴風》」

「ぐぅっ!?」


私は後方からの突風で、再び東の森王の元へと飛ばされる!


しまった! 態勢が……


「シャアアアアア!!」

「ぐああああああああああああああああっ!?」


東の森王の暴風の鎌が、私の腹部を切り裂いた!



Ⅳに続く。

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