第110話 新たなる地へ
魔竜王……次に会いに行く六大魔王は魔竜王か……
ミミズさんは魔海王が魔竜王の居場所を知っていると確信を持っているみたいだが……ひょっとして魔海王と魔竜王は六大魔王の中でも相当仲が良いとかかな?
「あいつなら今ドランとか言う山に棲んでるわよ」
「ドラン!? ドラン火山か!」
「バノン、知ってるの?」
「知ってるも何も、俺はドラン火山周辺の出身だからな……あの辺の地理には詳しいぜ」
「成程、それじゃあ道案内はバノンに任せれば問題ないね、そのドラン火山はどこにあるの?」
「ああ、ここから西に真っ直ぐ行けば着くぜ、距離は……空を飛んで行けば二週間で着くんじゃねぇか?」
「二週間か……もし大樹海の方に行くのだったら一度巣に戻ってから行こうと思っていたんだが……」
「仕方なかろう、まぁ巣にはガタク達が留守番しているのじゃし、そう心配する必要はないじゃろうて」
「……そうだね」
ミミズさん言う通り、ガタク達なら心配はいらないか。
「よし、それじゃあ早速出発の準備を始めようか」
「うむ、そうじゃな」
「ヤタイズナ殿、もし必要な物があったら言ってくれ、可能な限り準備させよう」
「ガーベラ王妃、良いんですか?」
「君たちにはこの国を救ってくれたからな、このぐらいはさせてくれ」
「ガーベラ王妃……ありがとうございます」
私達は地上から出て、旅の準備を始めた。
―翌日。
私達はオリーブ達に誘われ、庭園でティータイムを行っていた。
「ふふふふ……」
「……」
もはや恒例のように、ティータイム中私はオリーブに撫でられ続けていた。
「ふふ、この国でもヤタイズナさん達と一緒にティータイムが出来るなんて夢のようです……」
「お姉ちゃん嬉しそうー♪」
「このドーナツと言う食い物、美味いのう」
「紅茶と合っていいなこれ」
(おいしいー♪)
(ゼリー美味しいですー♪)
(全部絶品ですわ)
(本当美味しいですね)
(まったくでさぁ)
(美味いであります!)
『『ギチチチチィィィィィィ!!』』
ミミズさん達もお茶菓子を食べて楽しんでいた。
……ちなみに私は撫でられ続けているせいで動けず、お菓子を一つも食べられていない。
私もお菓子食べたいなぁ……
私がそう思っていると、オリーブが私に話しかけてきた。
「……ヤタイズナさん、姉様から聞いたのですが、もうすぐこの国を出て新しい地に旅立つって本当ですか?」
「あ、はい、準備が整い次第出発します」
「……そうですか……またヤタイズナさんと会えなくなっちゃうんですね……寂しいです……」
「お姉ちゃん……」
オリーブが悲しそうな表情をした。
「そんな悲しそうな顔をしないで下さいオリーブ、そうだ、次の場所への旅が終わったら大樹海に戻るので、その時またアメリア王国に来てオリーブに会いに行きますね」
「本当ですか!? 約束ですよ♪」
「はい、約束です」
「お姉ちゃん良かったねー♪」
再びアメリアに行く約束をした後、上機嫌になったオリーブに撫でられ続けた。
―そして翌日、旅の支度を済ませた私達は朝早くに城門前に来ていた。
私達を見送るために、ガーベラ王妃に国王リオン、ミモザ姫、オリーブとウィズ達が来てくれた。
「ガーベラ王妃、美味しい食べ物を沢山くれてありがとうございます」
「構わないさ、必要な物がこの国の美味しい食べ物と聞いた時は驚いたがな」
「ははは……それじゃあ、皆さん、私達は出発しますね」
「……ところで気になっていたのじゃが、何でお主が一緒に居るのじゃ?」
ミミズさんは私達の中に普通に混ざっている魔海王を見た。
「何でって、私もあんた達と一緒に行くからに決まっているでしょ?」
「ええっ!?」
「なぬぅっ!?」
魔海王の発言に私とミミズさんは驚きの声を上げた。
「久々にあいつに会うのも良いかなーって思ってね、それに新曲の良いネタになるかもしれないしね♪ そう言うわけだからしばらくよろしくね♪」
「よろしくってお前のう……」
魔海王の言葉にミミズさんがため息を吐いていた。
「そういう事だからガーベラ、いってきます♪」
「全く、君と言う奴は……分かった、いってらっしゃいレヴィヤ」
「それじゃ早速出発ね♪ 来て、クーちゃん!」
魔海王の言葉を聞き、空に巨大クラゲが現れ、降りてきた。
「さぁあんた達、乗りなさい」
「乗るって、このクラゲにですか?」
「クラゲじゃなくてクーちゃんよ、この子に乗ればどんな場所だってスイスイ行けるわよ」
「それは良いですね、それじゃあ失礼しますね……」
私達は巨大クラゲの頭の上に乗った。
座り心地は中々良い。
「よし、それじゃあ浮上♪」
魔海王の言葉を聞き、巨大クラゲが空に浮かび、移動し始めた。
「ヤタイズナさん、いってらしゃい、私、アメリアで待ってますからねー!」
「ヤタイズナさーん、また会おうねー♪」
「いってらっしゃーい♪」
オリーブ達が手を振って私達を見送ってくれた。
「さぁ、ドラン火山に向けて出発よクーちゃん♪」
魔海王の言葉を聞いて、私達を乗せた巨大クラゲはドラン火山へと進んで行った。
「第62回次回予告の道ー!」
「と言うわけで始まったこのコーナー!」
「魔海王の奴が付いてくるとはのう……」
「また一段と賑やかになったね」
「本編ならまだしも前回のようにこのコーナーを乗っ取られたらたまったもんではないわ……」
「まぁまぁ……それじゃあ早速次回予告を始めようか」
「次回は魔人達の話になるみたいだね」
「あ奴ら一体何を企んでおるのじゃろうな……」
「それでは次回『暗躍する者達Ⅳ』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので、次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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