第106話 後始末
オ・ケラとの戦いの後、私達はこの王国に残っていた魔物達を倒して回った。
勇者達の力もあり、魔物達は数時間もせずに全て倒され、魔物達によるアルトランド王国襲撃事件は終わりを告げた。
―王国襲撃事件から四日後。
国民達が城門前に集まっていた。
城門にはガーベラ王妃と国王リオン、二人の勇者達、そしてバノンとミミズさんと私が居た。
「皆良く集まってくれた、三日前、祭が行われている中突如として現れた魔物達による王国襲撃事件によって我がアルトランド王国は多くの被害を受けた…もしここに居る三人が居なければこの国は魔物によって滅ぼされてしまっていたかもしれない程だ…だから皆で彼らに感謝の言葉を捧げよう! 我らが王国を救ってくれた英雄、『勇者』橘綾香、渡辺瑞樹に! そして『救国の従魔使い』バノンに!」
ガーベラ王妃の言葉を聞き、国民達が勇者達とバノンに大喝采を送る。
「勇者様ー!」
「救国の従魔使いバノン様ー!」
「この国を救ってくれてありがとー!」
「英雄達に感謝をー!」
国民達からの賛美の言葉に勇者達は照れ臭そうに手を振っていた。
バノンも、少しだけ照れ臭そうに国民達に手を振っていた。
―王城、王妃と国王の部屋。
「いやー、凄い大歓声だったねミミズさん」
「そうじゃのう、しかしバノン、あの喝采の中、緊張もせずに照れ臭そうにしていただけとはなかなか肝が据わっているではないか」
「いや、お前らと一緒にいたらもうある程度の事じゃ緊張しなくなっただけだよ」
「まぁ、色々とあったもんね」
私達が話していると、ガーベラ王妃が笑っていた。
「ふふふ…こう改めてみると少しおかしな光景だな、人と魔物が会話している姿と言うのは…」
「そうかな? 私は羨ましい光景だと思うけどなー…」
「ふふっ…それで、話と言うのは何だ? 魔蟲王ヤタイズナ殿」
…何故ガーベラが私の正体を知っているのか。
それは今から二日前、国王リオンがあの時私達が喋った事に関してバノンに聞いてきたのだ。
その時隣に居たガーベラ王妃もその事に興味を持ったので、私達はガーベラ王妃と国王リオンに私の素性を明かしたのだ。
「しかしあの時は驚いた、私の故郷を救ってくれた者の従魔がまさか六大魔王だったとはな…」
「正確には従魔のフリをしていただけですけどね」
「そんな細かいことはこの際どうでもいい、だが改めて礼を言いたい…魔蟲王ヤタイズナ殿、アメリア王国を救ってくれてありがとう」
ガーベラ王妃が私に頭を下げて礼を言った。
「礼なんて良いですよ、それでガーベラ王妃貴女に聞きたい事があるんです」
「私に? …まさかと思うがあのブロストという奴と同じ事か?」
「多分同じではないと思いますが…ガーベラ王妃、私達は六大魔王の一体、魔海王事を知っている人物を探しに来たんです、その人物の名は…ガーベラ」
「…成程、そう言う事か…確かに私は魔海王を知っている」
「本当ですか!?」
やはり魔海王が気に入ったと言う人間はガーベラ王妃だったのか。
これで魔海王の居場所が分かるぞ。
「ガーベラ王妃教えて下さい、魔海王の居場所を」
「…うむ、その事なんだが、教える必要はないと思うんだが…」
「え?」
教える必要が無い? どういう意味だ?
私が疑問に思っていると、ガーベラ王妃はこう言った。
「魔海王なら、明日この国に来るぞ?」
『『…はぁ!?』』
ガーベラ王妃の発言に私たち全員が驚きの声を上げた。
「第59回次回予告の道ー!」
「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」
「魔海王の居場所を聞きに来たはずだったのに…まさか魔海王がアルトランド王国に来るだなんて…」
「うむ、そんなわけで次回は遂に魔海王の登場じゃ!」
「どんな感じの魔王なのかな…」
「それは次回のお楽しみというやつじゃ!」
「そうだね、それでは次回『魔海王』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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