第94話 ガタクの出会い

―ランド大樹海、ヤタイズナの巣。


その近くでガタクとソイヤーが模擬戦を行っていた。










(《斬撃》!)


ソイヤーがガタク目掛けて斬撃を放った!


「《斬撃》!」


ガタクも斬撃を放ち、ソイヤーの斬撃を撃ち消した!


(流石は師匠、ならばこれならどうです! 《斬撃》!)


ソイヤーはガタクの足元目掛けて斬撃を放つ!


ガタク後ろに跳んで斬撃を回避する。


斬撃が地面に直撃し、辺りに土煙が巻き上がる。


土煙によりソイヤーの姿が見えなくなった。


「ぬぅ、これは…」


ガタクは周囲を警戒する。


「右…左…いや後ろか?」


ガタクが後ろを向く。


その瞬間、正面からソイヤーが現れ、ガタクの懐に入った!


「何っ!?」

(《斬撃》!)


ソイヤーが至近距離で斬撃を撃ち放つ!


「甘いっ!」


ガタクは横に跳び、斬撃を回避した!


「はぁぁっ!」


そのままガタクは左大顎を振りソイヤーを吹き飛ばした!


(ぐあああああっ!? ごはぁっ!?)


吹き飛ばされたソイヤーはそのまま木に激突し、地面に落ちた。


ガタクは倒れているソイヤーに近づき、左大顎を突きつけた。


(ま、参りました…)

「ソイヤー、先程の攻撃は見事で御座ったぞ、これからも精進するで御座るよ」

(はい、師匠)

「それでは今日の訓練はここまでで御座る、拙者は少し散歩に出かけてくるで御座るから、お主は巣に戻って休んでいるで御座る」

(了解しました師匠、いってらっしゃいませ)













ガタクはいつもの散歩コースを歩いていた。


「うーむ…やはり左大顎だけでは少し戦いづらいで御座るな…やはり鎌鼬と斬撃で遠距離からの攻撃に特化させた方が良いのだろうか…む?」


「…ギシャアアアアア…」


ガタクがこれからの戦い方について考えていると、右前方にある茂みの先から魔物の叫び声が聞こえた。


「何で御座るか?」


ガタクは茂みの中に隠れ前方を見る。


「ギシャアアアアアアアアア!」

「…」


前方には、数匹のトックリワスプと戦っている黒髪ポニーテールの女がいた。


「ギシャアアアアアアア!」


トックリワスプ達が女に向かって針を射出する!


女は冷静な表情で後ろに跳び、両手をトックリワスプ達に向けて突き出した。


「《二重火球》!」


女の両手に炎の球が現れ、トックリワスプ達目掛けて撃ちだされた!


「ギシャアアア!?」

「ギシャア!?」


炎の球が二匹のトックリワスプに直撃し、地面に落下した。


「ほう、出来るで御座るな」


「ギシャアアアアアアアアア!!」


残りのトックリワスプ達が女目掛けて針を射出し続ける!


「…」


女は以前冷静な表情で全ての針を避けていく。


「《二重電撃》!」

「ギシャアアアアアアアアア!?」


女の両手から電撃が発せられ、電撃が直撃したトックリワスプ達は黒焦げになり地面に落ちていった。


「《火球》!」

「ギシャアアアア!?」


女が火球で最後のトックリワスプを倒した。


「…」


トックリワスプを倒した女が森の奥へと進んで行こうとしたその時。


「ギシャアアアアアアアアア!」


倒れていた一匹のトックリワスプが突如飛び上がり、女に突進してきた!


「っ!?」


女は振り返り、右手を前に突き出し、トックリワスプを攻撃しようとする。


しかし間に合わずトックリワスプの針が女に突き刺さる―


「《斬撃》!」

「ギシャア!?」

「!?」


―その前にガタクが茂みから出てきて、斬撃を放ちトックリワスプを両断した。


「…」


突然現れたガタクに対して女は両手を前に突き出しガタクを警戒する。


「安心するで御座る、拙者はお主と戦う気はないで御座る」

「…っ!?」


ガタクが喋ると、女は目を見開いて驚いていた。


「…」


女はガタクを警戒したまま後ろに下がって行き、森の中へと消えていった。


「行ってしまったか…うーむ、敵意は無いと伝えたのだが…駄目で御座ったか…」


ガタクが空を見上げる。


「そろそろ昼時か…今日はもう戻るで御座るかな」


そう言って、ガタクは巣へと戻って行った。

















「第52回次回予告の道―!」

「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」

「ランド大樹海に現れた謎の女性、一体何者なんだろうね?」

「さぁのう、まぁそのうち分かるじゃろうし、次回予告でも始めるかのう」

「次回は再び私達サイドに戻るよ」

「うむ、遂にアルトランド王国に到着するのじゃな!」

「どんな感じの国なのか今から楽しみだよ、それでは次回『アルトランド王国』!」

「「それでは、次回をお楽しみに!!」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る