第77話 レイド大雪原Ⅲ
私は炎の斬撃をビックゲジ・ゲジ目掛けて撃ちだした!
しかしビックゲジ・ゲジは向かって来る炎の斬撃をジャンプして回避、そのまま天井に登り、天井を走って私達に向かって来る!
「《斬撃》!」
私は再び炎の斬撃をビックゲジ・ゲジに向けて撃ちだす!
「《操炎》!」
さらに操炎を使い炎の斬撃を複数に分裂させた!
これだけの数の斬撃ならジャンプしても避けられないはず…何!?
ビックゲジ・ゲジは螺旋を描くように洞窟の天井、壁、地面を走って炎の斬撃を全て回避した!
「あの攻撃を避けるとは…」
「殿、ここは拙者が! 《鎌鼬》!」
ガタクの周りに風の刃が出現する。
「喰らうで御座る!」
無数の風の刃がビックゲジ・ゲジを襲う!
ビックゲジ・ゲジは先程と同じ方法で回避しようとするが、ガタクの鎌鼬は私の分裂させた炎の斬撃よりも数が多く、避けきれずに足が数本切断された!
「ぬぅ…拙者の鎌鼬をほとんど回避するとは、中々の素早さで御座るな…」
ビックゲジ・ゲジはそのまま私達に突進してくる!
「《炎の角》!」
「《風の大顎》!」
私とガタクは炎の角と風の大顎でビックゲジ・ゲジを攻撃する!
「何っ!?」
「何と!?」
ビックゲジ・ゲジはジャンプして私達の攻撃を回避する!
そのまま私とガタクをその巨大な体と細長い足で覆い、足を私達の身体に絡めていく!
「くそっ! 身動きが…」
「動けないで御座る!」
ゲジの足の先は鞭のようになっている、オオゲジは獲物を捕まえる時この足で獲物に絡めとって捕食するのだ。
ゴキブリなどがこの足に捕まったらもう終わりだっただろう。
しかし私はカブトムシ! これぐらいではやられはしない!
「《炎の角・槍》!」
角の先に炎が集まる。
「喰らえっ!」
私は頭を動かして炎の角・槍をビックゲジ・ゲジの胴体に突き刺した!
ビックゲジ・ゲジは突然の事に驚き私達を拘束していた足を解いて離れようとする!
しかしもう遅い! このまま胴体を貫通させてやる!
炎の角・槍がビックゲジ・ゲジの身体を貫いた!
ビックゲジ・ゲジが角を抜こうともがいている。
「《炎の角》!」
私は炎の角・槍を炎の角に戻す。
このまま焼いてやる!
炎の角がビックゲジ・ゲジの身体を突き刺さった部分から焼いていく!
ビックゲジ・ゲジは足を鞭のしならせて私を攻撃してきた!
「くっ…」
無数の足が私を叩きまくる。
何度も何度も足で私を攻撃してくる。
結構痛いな…
しかし私は耐えて炎の角でビックゲジ・ゲジを焼き続けた。
ビックゲジ・ゲジの身体に火が通って行き、徐々に動きが鈍くなり、攻撃が弱くなっていく。
数分後、ビックゲジ・ゲジは完全に動かなくなり、こんがりと焼きあがった。
私はビックゲジ・ゲジの姿焼きを地面に置く。
「ふぅっ、終わった…」
「殿、大丈夫で御座るか?」
「ああ、少し痛かったけど問題は無いよ」
ミミズさん達も私の元にやって来る。
(ごしゅじんだいじょうぶー?)
「大丈夫だよ」
(よかったー♪ …ところでごしゅじんー…)
「? どうしたんだスティンガー?」
(あれたべていい?)
スティンガーがビックゲジ・ゲジの姿焼きを鋏で指差した。
「殿、拙者も食べてみたいで御座る」
(主殿、私も食べたいです)
(美味しそうな匂いですね…)
(俺、美味そう、言う)
(涎が出てきそうですわ)
(僕も食べたいですね)
しもべ達全員がビックゲジ・ゲジの姿焼きを食べたそうに私を見る。
「…そうだな、腹も空いてきたし皆で食べようか」
こうしてゲジ・ゲジ達を倒した私達は食事を遅めの昼食を取った。
メニューはビックゲジ・ゲジの姿焼きとゲジ・ゲジの姿焼きだ。
「ビックゲジ・ゲジの姿焼き、美味いのう」
「美味いで御座る!」
(おいしいー♪)
(美味です!)
(美味しいです~♪)
(俺、美味い、言う)
(絶品ですわ)
(確かに美味しいですね)
確かに美味い、今まで食べた物の中でも上位に入るな。
「リュシルは食べないのか?」
(私は空腹ではないのでいいです)
「そう? ならいいけど…」
数十分後、食事を済ませた私達は倒したゲジ・ゲジを数匹程持って洞窟を移動し始めた。
そして歩くこと数十分、ようやく洞窟の出口に着いた。
(ヤタイズナ様、この出口の先がレイド大雪原です)
「そうか、やっと着いたな…じゃあ行くか」
私達は洞窟を出る。
「おお…」
洞窟を出た私の目に映ったのは、一面の銀世界だった。
とても美しい光景に私は見入ってしまう。
「ここが…」
(はい、ここが魔獣王様が居られるレイド大雪原です)
「第40回次回予告の道ー!」
「遂に40回目を迎えたこのコーナー!」
(今回はこの私カトレアが次回予告をさせていただきますわ)
「今回はお前かカトレア…あ奴本当に何処に行っているのじゃ?」
(さて今回ご主人様達は遂にレイド大雪原に到着しましたわ)
「うむ、もうすぐ魔獣王に会えると思うと楽しみじゃ」
(それでは次回『魔獣王』をお楽しみにして下さいませ♪)
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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