第74話 虫愛づる姫君の想い

―アメリア王国、王城のオリーブの自室。


「はぁぁぁぁ…」


オリーブがうっとりとした表情でカブトムシのぬいぐるみ(命名ヤタイズナさん)を抱きしめていた。


「私…ヤタイズナさんと…」


私はあの時の事を思い出す。


ヤタイズナさんが王国から帰られる時、私はヤタイズナさんに…き、キスを…


「きゃああああああ~~♪」


私は顔を真っ赤にしてベットの上でゴロゴロと転がり回りました。


私、ヤタイズナさんにキスしちゃいました! 


あの時の事を思い出すととっても恥ずかしいです、でもそれ以上に…幸せな気持ちが溢れてくるんです!


ヤタイズナさんが側に居ないととても寂しいです、だけどあの時の事を思い出すだけで、ヤタイズナさんと一緒に居る時と同じでとっても幸せな気分になるんです!


ああ、ヤタイズナさん…好き! 大好きです!


ヤタイズナさんの事が好きだと言う想いが溢れ出てしまいます。


ヤタイズナさん…好き…好き! 大好き! 大大大好きです!


私はカブトムシのぬいぐるみ(命名ヤタイズナさん)にキスをします。


もうそれだけでヤタイズナさんにキスした時の事を思い出し、更に幸せな気持ちになりました。


「はぁぁぁ…ヤタイズナさん…大好きです…」


私が幸せな気分に浸っていると、扉がノックされました。


「お姉ちゃーん、私だよー」


「ウィズ、今開けるから待ってね」


鍵を開けて扉を開いた。


「お姉ちゃん、おはよー! お姉ちゃん今日も嬉しそうだねー」


「ええ、ウィズのおかげよ、ウィズの言った通りヤタイズナさんとキスした事を思い出しただけで私、とっても幸せな気持ちになるの! ありがとうウィズ!」


「お姉ちゃんが幸せそうで何よりだよー♪ 良かったねー」


「うん! はぁぁぁ…ヤタイズナさん…」


私はあの時の事を思いだし、再び幸せな気分に浸り始めました。


その時、扉が再びノックされました。


「姫様、私です」


「爺や? 鍵は開いているから入っていいですよ」


「分かりました、失礼します」


爺やが扉を開けて入ってきました。


「おはようございます姫様」


「おはよう爺や」


「爺やさんおはよー!」


「おはようございますウィズ様、今日もお元気ですね」


「爺や、急にどうしたの? お昼までまだ早いですし…」


私は今日は何か用事があったのか考えました、けど何も思い当たりません。


「はい、実は…勇者様達が西からご帰還なされました」


その言葉を聞いて、さっきまでの幸せな気分は吹き飛んでしまいました。
















「第39回次回予告の道ー!」

「さあ今回も始まったこのコーナー!」

「お姉ちゃん嬉しそうだったのに…また憂鬱にならないか心配だよー…」

「おいちょっと待て、何しれっとお主がここに居るのじゃ! ヤタイズナはどうした!?」

「何か『しばらく出掛けてくる』っ言ってたけどー?」

「またか! あ奴本当にどこに行っとるのじゃ?」

「まーまー、そんな事より次回予告をしようよー」

「仕方ないのう…次回はヤタイズナ達の話に戻るぞ」

「レイドって所に行くんだよねー、雪積もってるかなー、雪だるま作りたいなー♪」

「お前は楽観的じゃのう…儂らは寒い地では結構やばいと言うのに…」

「さてそれじゃあ次回! 『レイド大雪原』! お楽しみにー♪」


・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

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