第73話 いざ大雪原へ
前回までの三つの出来事!
「またか…お主本当にそれ好きじゃのう」
一つ、夏の大樹海を満喫した私達が巣に戻るとそこには謎の白狼がいた!
(呼びましたか?)
「返事をしなくてよいぞ、あれはただの独り言じゃから」
二つ、謎の白狼の正体は何と六大魔王の一人である魔獣王ヴォルグのしもべ、リュシルだった!!
(さっき説明しましたのに何故改めて言うのですか?)
「だからあれは独り言じゃから放っておけと言うとるじゃろうが」
三つ、何とリュシルはミミズさんの事をミミズさん様と呼んだのだ!!!
「だから何で最後の三つ目はそんなどうでも良い事なのじゃ!? そこは普通「リュシルは私達に魔獣王がいると言うレイド大雪原に来てほしいと言ったのだ」とかで良いじゃろうが!」
と言うわけで、久々に私が好きな某特撮ヒーローのあらすじ風にまとめてみた。
さっきミミズさんが言った通り、私達は魔獣王の居ると言うレイド大雪原に来てほしいとリュシルに頼まれた。
リュシルの話では大樹海から大雪原までは大体二週間ぐらいで着くらしい。
私は別に会いに行くことに関しては別に良いと思っている。
ミミズさんと仲が良かったと言う魔獣王に関しては酒好きと言う事ぐらいしか知らないからな。
どんな人物なのか気になる。
しかし問題がある。
私達虫はほとんどが基本寒さに弱いと言う事だ。
大抵の虫は一定の温度以下になると活動が鈍り、更に一定の温度以下になると、活動が止まり、更に一定の温度以下になると死んでしまうのだ。
どうしようか…私達が大雪原に着いたとしても、寒さで動けなくなってしまうかもしれないし、最悪死んでしまうかもしれない。
どうするか…私の場合は炎の角で温度を一定に保つことが出来るかもしれないが、ガタク達はそんな術を持っていない。
今回は私とミミズさんだけで言った方が良いだろう。
「ヤタイズナ、何を悩んでいるのじゃ?」
「ミミズさん、今回は私達二人だけで行こうかと思ってね」
「何、何故じゃ?」
「私達虫は寒さに弱いし、炎系のスキルを使えるのは私だけだから、魔獣王に用がある私達だけで言った方が良いと思ってね」
「ふむ…確かにそうじゃのう」
「ちょっと待ってほしいで御座る!」
私達が話していると、ガタク達が私達の元に来た。
「殿! 今回の旅路、拙者はついて行きたいで御座る!」
(私も主殿について行きたいです)
(ぼくもごしゅじんといっしょにいくよー!)
(私も行きたいです!)
(俺、ご主人と一緒に行く、言う)
(私もご主人さまと共に行きたいですわ)
(僕もご主人と一緒に行きたいですね)
(魔王様、今回はこのレギオンも御供したいであります!)
『『ギチチチィィィィィィィィィ!!!』』
しもべ達が私と一緒に行きたいと声を上げる。
「しかし、これから行くレイド大雪原は私達虫にはとても厳しい環境だぞ? もしかしたら命を落としてしまうかも…」
「ご安心を! 寒さくらい気合いで何とかするで御座る! ですから拙者を連れていってください」
(私も気合いで何とかします!)
(ぼくもー!)
(私だって!)
(俺、俺も気合いで何とかする、言う)
(私も気合いで何とかしますわ!)
(僕も気合いを入れますね)
(我々だって気合いでなんとかするであります!)
『『ギチチチィィィィィィ!!!』』
しもべ達が自分を連れていってくれと主張する。
(ミミズさん様、ヤタイズナ様はしもべ達にとても慕われているんですね、そしてヤタイズナ様もしもべ達を大事に思っている)
「む? まぁそうじゃのう、確かにあ奴は皆から慕われておる、あっちのガタクとレギオン達はスキルで召喚したのではなく野生の魔物だったのが自らしもべになりたいと言って来たからのう、まあ部下に慕われる事も魔王にとって大事な事じゃからのう…と言うか様付けは辞めてくれんか? 余計変な名前に聞こえるから」
「殿、どうか拙者を連れていって欲しいで御座る!」
(いえ、このソイヤーを連れていってください!)
(ぼくをつれていってー!)
(私を連れていってください!)
(俺、俺を連れていって欲しい、言う)
(カトレアを連れていって欲しいですわ!)
(僕を連れていってください)
(このレギオン、今度こそ魔王様と共に行きたいであります!)
『『ギチチチチィィィィィィィィィ!!!』』
「分かった、分かったからお前たち落ち着けって!」
しもべ達全員が自分が行くと言って誰も譲らないので、私はアメリア王国の時と同じメンバーで行くことにした。
「レギオン、すまないが今回も留守を頼む」
「お任せを! 一緒に行けないのは残念ではありますが、任されたからにはいつも通りこの巣を絶対に守るであります!」
『『ギチチチチィィィィィィ!!!』』
その後、私達は出発の準備をした後、夕食を取り、明日に備えて早めに就寝した。
翌日。
「よし、それじゃあリュシル、大雪原までの案内を頼むぞ」
(はい、お任せを)
「よし、いざ、レイド大雪原に向かって出発だ!」
『おおーっ!!』
(魔王様、いってらっしゃいであります!)
『『ギチチチチィィィィィィ!!!』』
私達はリュシルに案内されながら大雪原に向けて出発した。
「第38回次回予告の道ー!」
「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」
「遂に大雪原に向けて出発したね」
「うむ、早く魔獣王に再会したいのう」
「さて、次回は久しぶりにアメリア王国に居るオリーブの話になるみたいだね」
「あの小娘か…そう言えばお主あの小娘に接吻されたのう」
「あー…その事に関してはまだ少し困惑しているから触れないでくれる?」
「わ、分かった…」
「それでは次回『虫愛づる姫君の想い』! お楽しみに!」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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